【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(案)(厚生労働科学研究) (50 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》 |
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上記の事業成果の導出により、我が国の腎疾患対策を強力に推進し、国民の QOL の維
持・向上や、医療の適正化に貢献する。
(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】慢性腎臓病(CKD)患者に特有の健康課題に適合した多職種連携による生活・
食事指導等の実証研究(令和7年度終了)
【概要】CKD の予防・重症化予防のためには、医師だけでなく、コメディカルとの多職
種連携によるチーム医療を通じ、標準化された CKD 療養指導を確実かつ継続的に実施
していくことが重要となる。これまでの研究で多職種介入に関する一定のエビデンス
が得られたが、本研究では多職種介入に関する実証研究を発展させ、どのような介入
方法・介入対象によって効果が得られるのかを解析した。
【成果の活用】CKD を多職種で診療することで eGFR(推算糸球体濾過量)の低下速度を
遅くすることが可能であり、透析導入までの期間を遅延させることが可能であること
が示唆された。これらの成果により、令和6年度には診療報酬改定において「慢性腎
臓病透析予防指導管理料」が新規に設けられた。
【課題名】ライフスタイルに着目した慢性腎臓病(CKD)対策に資する研究(令和7年度
終了)
【概要】CKD 患者(透析患者及び腎移植患者を含む)の疾患やその治療が就労に及ぼす
影響の現状、通院状況、治療内容などのアンケート調査を実施し、過去の就労に関す
る実態の解明と課題の抽出を行った。復職・新規就労に有用な機関・制度・有用な社
会制度について取りまとめ、「慢性腎臓病(CKD)における治療と仕事の両立に関する手
引き」を作成した。今後、「治療と仕事の両立お役立ちノート」を作成する。
【成果の活用】CKD 患者の治療と仕事の両立を進めるためには、事例に基づく両立支援
の情報提供を行うこと、産業医への啓発活動を行うことが有用であることが示唆され
た。手引きおよびお役立ちノートは社会参加の継続および復帰を可能にするツールと
して活用され、CKD 患者が自らの状態を理解し、主体的に治療と就労に取り組むこと
に繋がり、CKD 患者の就労者数増加や復職率向上に寄与することが期待される。また、
CKD 患者の適切な治療により CKD 重症化予防にも貢献し、透析導入減少にも資するこ
とが期待される。
2 令和8年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】腎疾患対策検討会報告書に基づく地域における慢性腎臓病(CKD)対策の推進
に資する研究(令和7~9年度)
【概要】全国を大都市、過疎地等を含む 12 ブロック程度に分けて、ブロックごとに、
実態調査、評価指標等を用いた対策の進捗状況や、均てん化に資するエビデンスの構
築、対策を実践するための戦略策定を、評価やとりまとめを行う研究班と連携して実
施する。また都道府県から市町村への横展開を見据えて、都道府県および市町村の担
当者と連携した研究体制を構築する(会議体の設置、研修会等の実施等)。特に透析導
入数について独自に減少目標を定めている自治体と連携し、対策の立案・実行を優先
的に推進する必要がある。
【成果の活用】地域における腎疾患対策の好事例の横展開により、腎疾患対策検討会の
KPI 達成に貢献する。また、骨太の方針 2024 において「慢性腎臓病対策の推進を図
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