（２）これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】「遺伝子改変を行った異種臓器の移植に関する再生医療等安全確保法の適用
と運用および公衆衛生上の安全性の確保に向けた調査研究」（令和５年度）
【概要】遺伝子改変された異種臓器移植における人獣共通感染症リスク等について調査
し、「異種移植の実施に伴う公衆衛生上の感染症問題に関する指針」の改定案を策定
した。また、審査の観点、審査対象となる製造工程の範囲、審査員の要件を整理し、
倫理委員会における異種移植に関する審査手法の提案を行った。
【成果の活用】「異種移植の実施に伴う公衆衛生上の感染症問題に関する指針」の改定
につながった。
【課題名】「南海トラフ地震等大規模激甚災害時のドクターヘリ運用体制構築に向けた
研究」（令和５年度）
【概要】①ドクターヘリを必要数被災地に派遣する方策の検討、②被災地に到着したヘ
リの効率的な運用方法（必要なフライト数の確保等）の検討、③南海トラフ被害想定
に基づく重篤患者等の数及びヘリ搬送回数の算出、を行った。能登半島地震発災時に
は専門家をドクターヘリ本部に派遣し、ヘリ運航の調整支援を通して調査を行った。
【成果の活用】「大規模災害時におけるドクターヘリの運用体制構築に係る指針につい
て（医政地発 1205 第１号 平成 28 年 12 月５日）」の改定に活用される予定である。
【課題名】「HIFU 施術における人体への侵襲性の評価研究」（令和５年度）
【概要】HIFU（High Intensity Focused Ultrasound：高密度焦点式超音波）施術につ
いて、①関連文献を基にした安全性の評価、②美容用 HIFU 装置により生じうる有害
事象の発生可能性の定量的評価、③HIFU 機器を使用した医療機関へのアンケート調
査を行い、医行為（医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害
を及ぼすおそれのある行為）該当性を検討した。
【成果の活用】HIFU 施術（HIFU を照射し細胞に熱凝固を起こさせ得る行為）の医行為
該当性を、医事課長通知（医政医発 0607 第１号令和６年６月７日）により示した。
２ 令和８年度に推進する研究課題
（１）継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題（増額要求等する課題）の概要、及び
期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
（各研究課題は研究期間１年間で終了するため、該当するものはない。）
（２）新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政
策等への活用又は実用化に向けた取組
毎年度、省内部局に対して、本研究事業の目的に合致した研究課題の募集を複数回実施
しているため、新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要は、現時点では未定
である。
なお、本研究事業の研究成果は関連する審議会、検討会等における検討のための基礎資
料とされるなど、厚生労働省の各部局における施策の検討に適宜活用されており、事
業の目的に沿った成果を得ている。令和８年度においても同様の成果を得る予定である。
Ⅱ

参考
１ 研究事業と各戦略（新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ、
成長戦略、骨太方針、統合イノベーション戦略、健康・医療戦略）との関係
本事業は、厚生労働行政に直結する社会的要請の強い諸課題に対応するため、各戦略
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