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資料2-3 本委員会として指定難病の診断基準等のアップデートを検討する疾病(個票、パブリックコメント等を受けて変更等を予定するもの) (80 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》 |
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88 慢性血栓塞栓性肺高血圧症
○ 概要
1.概要
慢性肺血栓塞栓症とは、器質化した血栓により肺動脈が閉塞し、肺血流分布及び肺循環動態の異常が
3か月以上にわたって固定している病態である。また、慢性肺血栓塞栓症において、平均肺動脈圧が 20
mmHg を超える肺高血圧を合併している例を、肺高血圧症(PH)を伴う慢性血栓塞栓性肺疾患(chronic
thromboembolic pulmonary disease : CTEPD ) な い し は 慢 性 血 栓 塞 栓 性 肺 高 血 圧 症 ( chronic
thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)という。CTEPH には過去に急性肺血栓塞栓症を示唆す
る症状が認められる反復型と、明らかな症状のないまま病態の進行がみられる潜伏型がある。肺血栓塞栓
症がなぜ慢性化するのかの機序は解明されておらず、それゆえ CTEPH に対する根治的治療法はなく、適
切な治療を受けていても日常生活の負担は継続し長期療養が必要である。無治療の場合には極めて予後
不良である。40 歳以降の発症がほとんどであり 70 歳代発症がピークとなり、女性は男性の約2倍となって
いる。診断された場合は生涯にわたる抗凝固療法の継続が必要となる。
2.原因
肺血栓塞栓症の原因は深部静脈血栓症の原因と同じであり、血液凝固能の亢進、静脈血流のうっ滞、
静脈壁の障害の3つの要因が重要となる。肺血栓塞栓症では血栓塞栓による肺動脈閉塞の程度が肺高血
圧症成立要因として重要である。血栓塞栓の反復と中枢側肺動脈内での血栓の進展が病状成立の主原
因と考えられる。それ以外の要因として、①亜区域レベルの弾性動脈での血栓性閉塞、②末梢側の筋性動
脈における血管病変なども病態として関与していると考えられる。CTEPH は海外では性差はないが、わが
国では女性に多く、また深部静脈血栓症のみの存在では頻度が低い HLA-B*5201 や HLA-DPB1*0202 と
関連する症例がみられることが報告されている。これらの HLA は欧米では極めて頻度の少ないタイプのた
め、欧米例と異なった発症機序を持つ症例の存在が示唆されている。
3.症状
CTEPH の自覚症状としては、労作時呼吸困難、易疲労感、動悸、胸痛、失神などがみられる。軽度の肺
高血圧では自覚症状は出現しにくく(診断が困難であり)、症状が出現したときには既に高度の肺高血圧症
が認められることが多い。肺高血圧症の程度が高度の場合、労作時突然死の危険性がある。進行例では、
頸静脈怒張、肝腫大、下腿浮腫、腹水などがみられる。その他、慢性肺血栓塞栓症/・肺高血圧症の原因
となる基礎疾患に伴う様々な身体所見がみられる。
4.治療法
本症に対し有効である治療法としては、(1)手術で到達可能な肺動脈内に線維性の閉塞/・狭窄を認め
る患者に対する肺動脈血栓内膜摘除術(PEA)、(2)カテーテルで対処可能な閉塞/・狭窄病変に対する
経皮経管的肺動脈拡張術(BPA)、(3)手術適応のない末梢型あるいは術後残存/・再発性肺高血圧症に
対しては、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるリオシグアト、プロスタサイクリン受容体作動薬である
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○ 概要
1.概要
慢性肺血栓塞栓症とは、器質化した血栓により肺動脈が閉塞し、肺血流分布及び肺循環動態の異常が
3か月以上にわたって固定している病態である。また、慢性肺血栓塞栓症において、平均肺動脈圧が 20
mmHg を超える肺高血圧を合併している例を、肺高血圧症(PH)を伴う慢性血栓塞栓性肺疾患(chronic
thromboembolic pulmonary disease : CTEPD ) な い し は 慢 性 血 栓 塞 栓 性 肺 高 血 圧 症 ( chronic
thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)という。CTEPH には過去に急性肺血栓塞栓症を示唆す
る症状が認められる反復型と、明らかな症状のないまま病態の進行がみられる潜伏型がある。肺血栓塞栓
症がなぜ慢性化するのかの機序は解明されておらず、それゆえ CTEPH に対する根治的治療法はなく、適
切な治療を受けていても日常生活の負担は継続し長期療養が必要である。無治療の場合には極めて予後
不良である。40 歳以降の発症がほとんどであり 70 歳代発症がピークとなり、女性は男性の約2倍となって
いる。診断された場合は生涯にわたる抗凝固療法の継続が必要となる。
2.原因
肺血栓塞栓症の原因は深部静脈血栓症の原因と同じであり、血液凝固能の亢進、静脈血流のうっ滞、
静脈壁の障害の3つの要因が重要となる。肺血栓塞栓症では血栓塞栓による肺動脈閉塞の程度が肺高血
圧症成立要因として重要である。血栓塞栓の反復と中枢側肺動脈内での血栓の進展が病状成立の主原
因と考えられる。それ以外の要因として、①亜区域レベルの弾性動脈での血栓性閉塞、②末梢側の筋性動
脈における血管病変なども病態として関与していると考えられる。CTEPH は海外では性差はないが、わが
国では女性に多く、また深部静脈血栓症のみの存在では頻度が低い HLA-B*5201 や HLA-DPB1*0202 と
関連する症例がみられることが報告されている。これらの HLA は欧米では極めて頻度の少ないタイプのた
め、欧米例と異なった発症機序を持つ症例の存在が示唆されている。
3.症状
CTEPH の自覚症状としては、労作時呼吸困難、易疲労感、動悸、胸痛、失神などがみられる。軽度の肺
高血圧では自覚症状は出現しにくく(診断が困難であり)、症状が出現したときには既に高度の肺高血圧症
が認められることが多い。肺高血圧症の程度が高度の場合、労作時突然死の危険性がある。進行例では、
頸静脈怒張、肝腫大、下腿浮腫、腹水などがみられる。その他、慢性肺血栓塞栓症/・肺高血圧症の原因
となる基礎疾患に伴う様々な身体所見がみられる。
4.治療法
本症に対し有効である治療法としては、(1)手術で到達可能な肺動脈内に線維性の閉塞/・狭窄を認め
る患者に対する肺動脈血栓内膜摘除術(PEA)、(2)カテーテルで対処可能な閉塞/・狭窄病変に対する
経皮経管的肺動脈拡張術(BPA)、(3)手術適応のない末梢型あるいは術後残存/・再発性肺高血圧症に
対しては、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるリオシグアト、プロスタサイクリン受容体作動薬である
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