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資料2-3 本委員会として指定難病の診断基準等のアップデートを検討する疾病(個票、パブリックコメント等を受けて変更等を予定するもの) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》
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第 68 回厚生科学審議会疾病対策部会
指定難病検討委員会

R8.9.1

資料2-3

17 多系統萎縮症
○ 概要
1.概要
多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)は成年期(30 歳以降、多くは 40 歳以降)に発症し、組織
学的には神経細胞とオリゴデンドログリアに不溶化したαシヌクレインが蓄積し、進行性の細胞変性脱落を
来 す疾 患 であ る 。初 発から 病初 期の 症候 が 小脳性 運 動失 調 である もの はオリーブ 橋小 脳萎 縮症
(olivopontocerebellar atrophy:OPCA)、パーキンソニズムであるものは線条体黒質変性症(striato-nigral
degeneration:SND)、そして特に起立性低血圧など自律神経障害の顕著であるものはシャイ・ドレーガー症
候群と各々の原著に従い称されてきた。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断
でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系
統萎縮症と総称されるようになった。現在は、臨床亜型として、診断時に小脳失調が前景に立つ MSA-C
(MSA with predominant cerebellar ataxia)と診断時にパーキンソン症状が前景に立つ MSA-P(MSA with
predominant parkinsonism)に大別される。これは各々、OPCA、SND に該当する。MSA-C と MSA-P の比率
は国によって異なる。本邦では MSA-C が多く、欧米では MSA-P が多いという特徴がある。両者共に自律
神経症状を伴う場合が多い。
2.原因
MSA は小脳皮質、橋核、オリーブ核、線条体、黒質、脳幹や脊髄の自律神経核に加えて大脳皮質運動
野などの神経細胞の変性、オリゴデンドログリア細胞質内の不溶化したαシヌクレインからなる封入体(グ
リア細胞質内封入体:GCI)を特徴とするが、神経細胞質内やグリア・神経細胞核内にも封入体が見られる。
ほとんどは孤発例であるが、ごくまれに家族内発症が見られ、その一部では遺伝子変異が同定されている。
現在、発症機序について封入体や遺伝要因を手がかりに研究が進められているが、まだ十分には解明さ
れていない。
3.症状
MSA-C は初期には皮質性小脳萎縮症との区別が付きにくく、二次性小脳失調症との鑑別が重要である。
MSA-P は筋強剛、無動、姿勢反射障害などのパーキンソニズムが初発時より見られるので、パーキンソン
病との鑑別を要する。頻度の高い自律神経症候としては、起立性低血圧や排尿障害、勃起障害(男性)、
呼吸障害、発汗障害などがある。注意すべきは睡眠時の喘鳴や無呼吸などの呼吸障害であり、早期から
単独で認められることがある。呼吸障害の原因として声帯外転障害が知られているが、呼吸中枢の障害に
よるものもあるので気管切開しても突然死があり得ることに注意して説明が必要である。自律神経障害で
発症して数年を経過しても、小脳症候やパーキンソニズムなど他の系統障害の症候を欠く場合は、他の疾
患との鑑別を要する。
MSA は頭部の X 線 CT や MRI で、小脳、橋(特に底部)の萎縮を比較的早期から認める。この変化をと
らえるには T1 強調画像矢状断が有用である。また、T2 強調画像水平断にて、比較的早期から橋中部に十
字状の高信号(十字サイン)、中小脳脚の高信号化が認められる。これらの所見は、診断的価値が高い。

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