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人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営 (74 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20260626/zaiseia20260626.html
出典情報 財政制度等審議会 人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営(6/26)《財務省》
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Ⅲ.社会保障
1.総論
我が国の社会保障制度は、病気や老齢といった人生における様々なリ
スクに対し、社会全体で連帯して備える「共助」の仕組みとして、保険
料を拠出する社会保険制度を基本としている。その上で、公費も活用し
つつ、国民皆保険・皆年金制度を実現し、戦後長きにわたり、国民の健
康・長寿の確保や生活の安定を支えるとともに、経済社会の発展にも大
きく寄与してきた。
一方、高齢化の進行や高額な薬剤の登場等に伴い、医療費をはじめと
する社会保障給付費は継続的に増加しており、保険料・税といった国民
負担も拡大を続けてきた。公費負担を社会保障の安定財源と位置付けら
れている消費税収を含む税財源のみでは賄い切れず、特例公債に依存す
る状況が続き、将来世代への負担の先送りが重ねられている。負担が増
加しても給付への牽制作用が十分に発揮されにくい構造的な問題もある。
このため給付と負担の関係が不透明となり、結果的に制度の持続可能性
に対する国民の実感的な理解も得られにくかった。
しかし、長らく続いたデフレから日本経済が新たなステージに移行し
つつあることが明確になる中で、社会保障を取り巻く環境も大きく変化
している。社会保障給付費の増加が続く一方、近年では賃上げの進展等
により、国民所得の伸びが社会保障負担の伸びを上回り、社会保障負担
率(国民所得115に対する社会保険料負担の割合)116は横ばいないし微減
で推移する局面が見られている。
このような状況の下、実施された令和8年度(2026 年度)診療報酬改
定では、インフレの状態となっていることを背景に、データに基づき費
用構造等に応じたきめ細かな物価対応・賃上げ対応が行われ、3%を超
える 30 年振りの高い改定率となった。各種社会保障改革の効果や賃上
115 賃金の総額(雇用者報酬)に企業所得等も加えた概念である。
116 社会保障負担率は、賃上げを軸とする経済全体の動向と社会保障改革による保険料負担の抑

制の双方を反映するものであり、国民にとっても、現在、どの程度の社会保険料負担が国民全
体に課されているのかを端的に、かつ、分かりやすく示す指標であると考えられる。
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