人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営 (16 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20260626/zaiseia20260626.html |
| 出典情報 | 財政制度等審議会 人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営(6/26)《財務省》 |
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欠く状況が続いている。足もとでは令和8年(2026 年)1月から実質賃
金がプラスに転じたものの3、実質賃金の上昇が定着したか否かは、依然
として予断を許さない状況にある。
需給が引き締まり、物価上昇が持続する局面においては、これに見合
う賃金の上昇が伴わなければ、家計の購買力は損なわれ、持続的な成長
には結びつかない。物価動向に十分に配慮しつつ、実質賃金の継続的な
上昇に向けた政策対応が求められる。
2.経済力の強化と「投資と賃上げの好循環」
分配面への目配りが必要なことは、足もとの課題であるのみならず、
我が国の経済力の強化に直結する構造的な課題である。
我が国の潜在成長率に着目すると、1980 年代に4%を上回っていた水
準から近年は1%を下回る水準へと低下しており、諸外国と比べても見
劣りする状況にある。
労働面では、2010 年代には労働投入量の減少を女性・高齢者の就労拡
大によって補ってきた。足もとでは就業者数の増加ペースが鈍化し、労
働投入量は減少傾向にある。一方で、全産業ベースでみれば、過去 30 年
にわたり、労働生産性は主要先進国と比較しても遜色のない伸びとなっ
ている。
資本面に目を向けると、バブル崩壊後の調整やリスク回避的行動等に
より、資本投入量は急激に落ち込むこととなった。2000 年代半ばに企業
の“3つの過剰”(債務、設備、雇用)は概ね解消したものの、その後
も人口減少を背景とした国内市場の成長期待の低下に伴い、海外投資や
M&A が拡大する一方で、国内投資は伸び悩んできた。それが更なる国
内市場の縮小や賃金の抑制へとつながる形で、ダウンサイドスパイラル
3 厚生労働省の毎月勤労統計調査の令和8年(2026
年)4月分結果速報(令和8年(2026 年)
6月5日公表)では、令和7年(2025 年)12 月は▲0.1%、令和8年(2026 年)1月は
+0.7 %、2月は+2.0%、3月は+1.4%、4月は+1.9%(速報値)。なお、実質賃金は、名目賃
金指数(現金給与総額)を消費者物価指数(総合)で除して算出しており、持家の帰属家賃を除
いて実質化されている。
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