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人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営 (50 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20260626/zaiseia20260626.html
出典情報 財政制度等審議会 人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営(6/26)《財務省》
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これまで投資と賃上げが相互に好循環を形成する構造には至らなかっ
たことを踏まえれば、今後の成長戦略においては、単に投資を拡大する
のではなく、賃金の上昇を伴い、次なる投資にもつながる構造を確立し
ていくことが求められる75。どの分野にどのような投資をしていくべき
かは、分配構造の在り方と不可分であり、人材が制約となる我が国にお
いては、人材の配置・活用の在り方と切り離して論じることはできな
い。
このため、成長戦略は個別分野ごとの施策の単なる積上げにとどまる
べきではなく、人材配分の最適化と付加価値創出力の向上を軸として、
投資・分配・人材政策を一体的に構築する必要がある76。以下では、こ
うした基本的考え方の下、我が国の人材力、ひいては経済力の強化に向
けた具体的な方向性を示す。
(1)高等教育分野
人口減少社会においても人材力・経済力を強化していくためには、高
度人材の育成を担う大学の教育・研究の質の更なる向上が不可欠であ
る。そのためには、大学の教育の質を適切に評価する仕組み77の構築と
あわせ、大学全体の規模適正化が重要となる。その際は、将来人材不足
が予測される理工系分野の定員とともに、人材の需給ギャップの程度や
我が国の経済成長等に資する観点等を踏まえ対象分野を重点化78してい
くべきと考えられる。
「2040 年の就業構造推計」は、あくまで一定の前提をおいた推計で
あることから、(ⅰ)実際の人材需要は産業構造の転換の進捗状況等を
75 成長の果実が、賃金の上昇や中小・小規模事業者との取引条件の改善等を通じて、幅広い主体

に行き渡る包括的な成長(Inclusive growth)を目指すべきである、との意見があった。
76 民による再投資の好循環を形成するためには、規制緩和などの構造改革的な施策を通じて、期

待を醸成することが重要、との意見があった。
77 昨年 12 月の建議では、
(ⅰ)絶対的な教育の質、
(ⅱ)学生への付加価値、
(ⅲ)地域・社会で

求められる人材育成といった3つの観点で大学の教育の質を評価し、それに基づき私学助成の
メリハリを強化していくことが重要と提言されている。
78 大学全体の規模の適正化にあわせて、特に理工系の専門人材の輩出を担う高等専門学校への重
点化など、DX(デジタルトランスフォーメーション)
・AX の急速な進展を含む我が国の経済社
会情勢の変化を踏まえた、教育体系全体の再設計についても議論していくべき、との意見があ
った。
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