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人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営 (66 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20260626/zaiseia20260626.html
出典情報 財政制度等審議会 人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営(6/26)《財務省》
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や適切な新陳代謝が実現されることが重要である。〔資料Ⅱ-2-29 参
照〕
企業の労働生産性と規模の関係を見ると、規模の拡大に応じて、労働
生産性が高まる傾向にある。また、企業の合併により、労働生産性や1
人当たり賃金が統計的に有意に高まるとの分析結果もある。一方で、規
模別に従業者数の分布を見ると、小規模な企業に従業者が偏っている。
また、比較可能なベースで米国や欧州と比べても、そうした度合いが強
い。こうしたことから、我が国の中小企業が小規模分散構造の下で、労
働資源を効率的に活用できていない点が、中小企業の労働生産性が高ま
りにくい一因と考えられる。中小企業、ひいては企業部門全体の労働生
産性を高め、持続的な賃上げにつなげていくためには、価格転嫁や取引
適正化を引き続き徹底し、サプライチェーン全体として付加価値の適正
な分配を図ることに加えて、中小企業の成長を通じた規模の拡大や、企
業間の必要な連携・再編を促し、過度な小規模分散構造からの転換を図
っていくべきである104。〔資料Ⅱ-2-30 参照〕
我が国企業部門の小規模分散構造からの転換に向け、中堅企業や、売
上高 100 億円を目指す中小企業の成長や規模拡大を支援する方向性自体
は、妥当と考えられる。しかし、その支援手法は、大規模な補助金によ
る支援に偏っており、(ⅰ)売上高 100 億円の達成や、中小企業の中堅
企業化といった規模拡大が要件化されておらず、インセンティブ付けが
弱い、(ⅱ)賃上げ要件の達成判定は予算計上から最長6年後となって
おり、分配構造の是正への働きかけとしては即効性に乏しい、(ⅲ)自
力で投資可能な企業に対する収益支援となるおそれがある、といった
様々な課題がある。このため、中堅・中小企業の成長投資への支援とし
ては、「渡し切り」の補助金に依存することなく、フォローアップやガ
バナンスに優れ、資金回収も可能な、官民の適切なリスクシェアの下で
の出資・融資・メザニンファイナンス105や保証などの金融支援も活用
し、企業の成長段階に合わせた適切な支援とすべきである。加えて、補
104 企業再編に際しては、労働者への影響も踏まえ、総合的な労働者保護の仕組みを構築すべ

き、との意見があった。
105 銀行借入等のデットファイナンスと、普通株式発行等のエクイティファイナンスの中間的な

性質を持つ資金調達手法。例えば、劣後ローン、劣後債、優先株式等が該当する。
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