人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営 (15 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20260626/zaiseia20260626.html |
| 出典情報 | 財政制度等審議会 人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営(6/26)《財務省》 |
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1.デフレ型経済から供給制約経済への転換
我が国経済は、長期にわたり続いたデフレから脱し、需要不足の状態
から構造的な転換が進行している。コロナ禍以降、経済の回復が継続
し、名目 GDP は令和8年度(2026 年度)に 700 兆円に迫る見通しとな
り、実質 GDP も堅調に推移している。GDP ギャップは、日本銀行の推
計では、令和7年(2025 年)10-12 月期+0.65%と 16 四半期連続でプ
ラスとなり、内閣府の推計でも令和8年(2026 年)1-3月期(2次速
報)は+0.5%と6四半期連続のプラスとなっている。こうした動き
は、我が国経済が、需給が引き締まる中で供給面の制約に直面する段階
に移行しつつあることを示唆している。
〔資料Ⅰ-1-1、2参照〕
このような需給構造の変化は、如実に物価動向にも表れている。消費
者物価上昇率は令和4年(2022 年)以降概ね2%を超える水準で推移し
てきた。令和5年(2023 年)には約 30 年ぶりに3%を超え、インフレ
の状態となっている。エネルギーや輸入物価の上昇に端を発した物価上
昇は、足もとではサービス分野にも広がりを見せており、日本銀行は、
基調的な物価上昇率は2%に近づいていると評価している1。
足もとでは中東情勢が緊迫化し、インフレ期待が更に高まる中、世界
的に金利が上昇傾向にある2。過去、当審議会で将来のリスクとして指摘
してきた物価や金利の上昇などが現実のものとして顕在化してきてお
り、今後の物価・経済の動向にはより一層注視していく必要がある。
〔資料Ⅰ-1-3参照〕
こうした中、我が国経済を持続的に成長させるためには実質賃金の継
続的な上昇が不可欠である。企業収益の改善や労働需給の引き締まりを
背景に、ベースアップを含む賃上げの動きが継続しているが、名目賃金
1 「基調的な物価上昇率の概念と捉え方」
(日本銀行(令和8年(2026 年)3月)
)
2 6月 18 日、米国及びイラン双方が覚書に署名し、戦闘の終結が宣言された。まずは、全ての当
事者による覚書の適切かつ着実な履行を通じ、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が速や
かに再開することが重要であり、イランの核問題等についても、今後、米イラン間の更なる交
渉を通じて最終的な合意が一日も早く実現することが期待される。
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