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人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営 (17 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20260626/zaiseia20260626.html
出典情報 財政制度等審議会 人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営(6/26)《財務省》
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に陥っていたと考えられる。経済力を強化し、「強い経済」を実現する
ためには、官民挙げて国内における「未来への投資」を抜本的に強化す
る必要がある4。
また、我が国経済の特徴の一つとして、過去 30 年にわたり実質賃金
が横ばいで推移してきたことが挙げられる。改めて1人当たり実質賃金
の寄与度分解を見ると、我が国では、時間当たり実質労働生産性の1人
当たり実質賃金への寄与は英独仏並みである一方、労働分配要因等5が1
人当たり実質賃金を押し下げている影響が大きい。「デフレーターギャ
ップ要因」もマイナスに寄与しており、輸入価格上昇が輸出価格に転嫁
できず、交易条件が悪化してきたことを示している。我が国では、家計
が直面する輸入価格が上昇する一方で賃金が抑制されてきた結果、家計
の購買力が伸び悩む一方で、企業による輸出価格への十分な転嫁も進ま
なかった可能性がある6。こうした中、交易条件悪化のコストを家計が負
担してきた面があることに留意する必要がある7。〔資料Ⅰ-2-1~3
参照〕
このように、労働生産性の向上にもかかわらず、それが賃金として十
分に還元されてこなかった点に、我が国のマクロで見た分配構造の課題
がある。賃金の停滞は消費の低迷を通じて国内需要の拡大を制約し、結
果として国内投資の機会をも制約してきたと考えられる。
我が国の経済力を強化し、「強い経済」を実現していくためには、国
内投資を着実に拡大し、未来への投資不足の流れを断ち切ることとあわ
せ、企業収益や投資の成果を賃金として適切に還元し、消費の拡大を通
じて更なる投資につなげていく「投資と賃上げの好循環」を確立してい
くことが重要である。

TFP(全要素生産性)についても、イノベーションの創出等を通じて
伸ばしていく取組が求められる。
5 労働分配要因とは労働分配率の低下のことである。また、労働分配要因に次いで、労働時間要
因が1人当たり実質賃金を押し下げている。
6 欧州の資源輸入国では、労働生産性の伸びに応じて実質賃金が上昇している。
7 昨年 12 月の建議でも記載したとおり、財政政策は外国為替市場に影響を与える要因の一つであ
り、円安を通じて、国の交易条件(輸出物価/輸入物価)が悪化し、実質賃金も低下すれば、
国民の生活水準に影響を及ぼすことが指摘されている。

4 労働や資本の残余となる

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