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総-1参考1 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64319.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第619回 10/8)《厚生労働省》
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改訂案

1. エレビジスについて

(1)デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)について
筋ジストロフィーとは骨格筋の壊死や再生を主病変とする遺伝性筋疾患の総称で、本邦では指定難病に定められています。
小児期までに発症する筋ジストロフィーの代表的疾患であるDMDでは、進行性の骨格筋及び心筋の筋障害と筋変性に

よる筋力低下に伴い、歩行障害などの運動機能障害、呼吸障害、心筋症が生じます3)。骨格筋と心臓の病変の臨床経過は
さまざまであり、致死的な心臓又は呼吸器の障害もみられます4)5)。心筋の線維化が進行して起こる拡張型心筋症の有病率は
患者さんの年齢や疾患の進行とともに増加し、大半の患者さんが18歳までに発症するといわれています6)7)。

DMDは、ジストロフィン遺伝子の突然変異によって引き起こされるX連鎖性の筋疾患です。主に男性に発症し、胎生期から
病理学的変化が始まり、2~4歳頃に臨床症状があらわれます5)。ジストロフィン遺伝子の変異の種類は患者さんによって

異なり、欠失、重複、点変異を含みます 5)。ジストロフィンは骨格筋、平滑筋、心筋などのさまざまな組織で発現しており、

ジストロフィン関連タンパク質複合体
(DAPC)
を形成して細胞膜や細胞外マトリックスと筋線維の細胞骨格をつなぎ、筋肉

の伸展・収縮時の筋細胞膜の損傷を防いでいると考えられています8)。ジストロフィン遺伝子の変異が引き起こすジストロ

フィンの欠損によって筋細胞膜は不安定になり、筋細胞の損傷につながります9)。マクロ的な筋細胞の損傷による慢性的かつ
進行性の筋肉の炎症は、筋力の低下をもたらします9)。また、心筋や呼吸筋のジストロフィンも欠損するため、最終的にその
影響は致命的となります5)。

DMDの発症機序(イメージ図)
ジストロフィン遺伝子に変異がない場合

DMD患者さんの場合

筋細胞膜の完全性を維持

慢性的かつ進行性の筋肉の炎症による筋力低下
5)
8)
9)
より作成

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