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令和7年3月 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトに関する調査研究 報告書 (70 ページ)

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出典情報 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトへの対応について(8/7)《こども家庭庁》
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III. 個別事例に関するアンケート調査結果
問1で回答のあった該当事例(合計 40 件)のうち、個別の事例について回答を得た 38 件について、事
例ごとに調査を実施した結果は以下のとおりであった。

1. 該当事例の基本情報
(1) Q1.事案発⽣時のこどもの年齢
事案発⽣時のこどもの年齢は、「0 歳」が 50.0%(19 件)と最も多く、次いで「15 歳以上」が 13.2%
(5 件)、「1〜3 歳」「12〜14 歳」がともに 10.5%(4 件)であった。
図表 3-18 事案発生時のこどもの年齢(n=38)(数値回答を分類)
0%

20%

40%

60%

50.0%

0歳

1〜3歳

10.5%

4〜5歳

6〜8歳

80%

7.9%

9〜11歳

2.6% 5.3%

10.5%

12〜14歳

100%

13.2%

15歳以上

(2) Q2.保護者が同意しなかった内容とその理由
保護者が同意しなかった内容とその理由について聞いたところ、以下の回答があった。
■医療機関の受診拒否、⼊院拒否















体重増加が不良だったため、⼊院加療が必要であったが拒否された
両親ともにナチュラリストとしてのこだわりや信念が強く、標準医療を拒否していたため
視神経に関する疾病に係る検査⼊院や受診を拒否。何も困っていない、成⻑している、無遅刻無⽋席な
ので学校を休ませられない、病院は怯えさせることばかり⾔い不要な薬をだす、などが理由である
急激な体重減少があるため⼊院の必要がある可能性を説明した上で必ず受診するよう促すが、受診されず。
明確な理由は不明だが⺟の実家が⾃然派で、⾷事を含む育児⽅針について⺟の⽣育歴に起因するこだわ
りがあった
⽇齢 4 ⽇での K2 シロップ内服、無呼吸発作のモニタリングによる⼊院を勧めたが拒否された
低栄養による体重増加不全の疑いにより、児童相談所職員と共に当院を受診。⺟の思想上の主義により
⾷事に偏り、制限があった。検査や⾷事状況の把握のため、⼊院を提案したが「⼊院はできない」と⺟が即
答。「⼈⾒知りが強く、かなり緊張している。⼊院はこの⼦にとってかわいそう」とのことであった
悪性腫瘍の診断が確定したが、⺟が診断そのものに対する不安感、治療に対する不安等を訴え、治療に
同意しなかった。⺟は同じ質問を何度も繰り返す等、何らかの精神疾患がある可能性があった
家族が期待した通りの治療経過にはならず内服を含めた治療継続に負担を訴えるようになった
結核での⼊院治療が必要だったが、保護者より「治療の必要性がわからない。⼊院が負担」等の理由で他
院を⾃主退院され、当院には保健所職員が受診のためこどもを連れてきた
全⾝管理、内服コントロールのため訪問看護の利⽤が必要だったが拒否された
外国⼈の超早産児だったが、医療⾏為を受けさせなかった
注⼊量の増加やリハビリなど、⾝体状態の改善や⽣活状況の改善の諸々の提案を受け⼊れなかった。多
数ある要因の中の⼀つに、宗教信仰のある⺟の意⾒の強さがあった

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