令和7年3月 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトに関する調査研究 報告書 (20 ページ)
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出典情報 | 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトへの対応について(8/7)《こども家庭庁》 |
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保護者に対する術後の経過説明機会の調整
セカンドオピニオンの実施
保護者の不同意に⾄る気持ちの受け⽌め
⼀時保護要否の判断を適切に⾏うこと
⼀時保護によりこどもの医療⾏為を⾏う場合はこどもの意向を確認し、意⾒形成や意⾒表明に向けた⽀援
いずれの選択肢についても事案ごとに判断すべき
ケースによって担うべき役割が変わるが、上記全てが必要なこともあり得る
現在ケースがないため、あった場合の想定で回答する
(6) 問 8.児童相談所の取組みや役割を担う上での課題・⽀障
問6・7で回答した児童相談所としての取組みや児童相談所が担うべき役割を担うにあたっての課題や⽀
障を聞いたところ、以下の回答があった。
<児童相談所が医療⾏為の必要性を判断する難しさに関すること>
■児童相談所が医療の必要性を判断できる専⾨性を持ち得ていない
医療⾏為の必要性・緊急性について、児童相談所が主体的に判断を⾏う体制の弱さ(医療⾏為の専⾨
知識がないと、セカンドオピニオン等には時間を要する)
児童相談所は医療の専⾨機関ではないため、医療機関が提⽰する医療⾏為の妥当性、保護者が医療
⾏為を拒否する理由の正当性・合理性についての判断がしづらい
児童相談所が医学的な判断について妥当性等を判断することは難しい。児童相談所はあくまで医療受診
がこどもの福祉に照らして必要かどうかの判断をすべきであり、医療受診の必要性・妥当性等について個々
の児童相談所が持つ社会資源や経験の違いによって、その判断の結果が異なるのはこどもにとって不利益と
なる。このように極めて専⾨的な知識を必要とする事例の判断については、国がしかるべき機関を備え、全
国的に⼀括して処理すべきであると思う
■(保護者が不同意の)医療⾏為を⾏うことが、最善の選択肢であるか判断が難しい
医療⾏為を⾏った後の予後やリスクと、保護者やこどもの死⽣観(リビング・ウィル)について、最優先とすべ
き事項の判断が難しい
信仰の⾃由、こどもや保護者の意⾒・意向、こどもの命の保証について、どこまで整理できるのかが難しい
医療機関によって意⾒が異なる場合や、同⼀の医療機関内でも医師やソーシャルワーカーなどによって意⾒
が異なる場合は、判断が難しい
必要な医療⾏為かどうかの判断が難しい。その⾏為⾃体に⾼いリスクが伴う場合、また通告元の医療機関
と治療を⾏う医療機関が複数にまたがる場合は、より難しくなる
通告元の病院から医療情報の提供を受けたとしても、病院の思いや意向が反映されやすい状況にあると思
われるため、適切な判断ができるかが難しい
医療機関と児童相談所の判断基準が異なることもあり、医療⾏為の緊急性や必要性の判断が難しい
医師による医療の必要性の判断が⼤きな要素となるが、医師によっても⽣命への倫理観に違いがある。例
えば余命がある程度分かっている児童や重⼼状態のこどもに対して、⾼度でこどもの⼼⾝に⼤きな負担にな
る⼿術をする必要性があるか否かなど医師⾃⾝が悩む⾯もある
■児童相談所の負担・リスクが⼤きい
専⾨性の⾼い内容であるが、「こどもの安全確保」「医療⾏為実施のための法的対応」「こどもの福祉のため
のケースワーク」「こどもの⽣活保障」等のすべてを児童相談所が担う形となっており、負担が⼤きく迅速さの
担保が難しい
⼀時保護をして医療⾏為を受けさせた後、こどもに重篤な副作⽤・後遺症が⽣じる可能性が⼼配である
⼈の⽣死に直接関わる重⼤な役割を担う⼀⽅で、訴訟リスクを抱えるという、困難な⽴場は荷が重い
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