よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和7年3月 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトに関する調査研究 報告書 (21 ページ)

公開元URL
出典情報 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトへの対応について(8/7)《こども家庭庁》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。



法的対応により医療⾏為を⾏い、こどもの⽣命・健康に重⼤な不利益が⽣じた場合、児童相談所が守ら
れる体制が⼗分とは⾔えない

■緊急を要さない医療⾏為についてどう対応すべきかの判断が難しい





明らかに強制介⼊を⾏ってでも実施すべき医療は、⼀時保護や親権停⽌申⽴により対応するが、それ以外
の医療や、養育状況全般にわたるネグレクト傾向の中にある医療ネグレクトはどこまで介⼊すべきか悩ましい
現段階では命に関わらず、将来的に医療ネグレクトとなることが想定されるようなケースについて、⼀時保護
等の権限⾏使を検討する際には、こどもの病状のみならず家庭環境等といったあらゆる客観的情報を収集
することが必要である
新⽣児の場合は、こどもの状態により医療機関で⾏う検査等が多数あり、保護者がそうした検査等を拒否
する場合に医療ネグレクトに該当するのかの判断が難しい

<保護者対応に関すること>
■思想・信条による保護者の考えを説得することが難しい




保護者の信仰⼼をどのように説得して医療を受けさせるか
保護者の思想・信条等を理由とする不同意については、説明・説得を試みても同意は難しい
児童相談所と保護者との間で相談援助関係が⾮常に築きにくい。連絡も⾯会にも⼀切応じなくなることが
ある

■児童相談所が保護者に医療⾏為の必要性を説明することが難しい




専⾨的な医学的知⾒及び理解が⼗分ではない職員が、保護者に医療⾏為の必要性を説くことが時として
困難であり、説得⼒に⽋けること
医療⾏為は専⾨⽤語が多く、保護者やこどもにわかりやすく正しく理解できるよう伝えることが難しい
保護者への説明は⼤切であると認識しているが、児童相談所職員は医療の専⾨性に乏しいため、保護者
への納得・理解には医師などからの説明が重要になる

<こどもの意向に関すること>
■こどもが医療⾏為を拒否している場合等のこどもの意向の尊重が難しい






こども⾃⾝の信仰⼼が強い、保護者の意⾒に共感している、あるいは異論がないという状態
意向の確認が難しい乳幼児の場合(マインドコントロール下にあるのか、純粋な信仰⼼であるのか、その判
断が困難である場合)
ある程度本⼈の意思を尊重すべき年齢であるこどもの意思をどの程度勘案する必要があるのか、保護者の
思想信条等の影響を受けているとするかの判断が難しい
こども本⼈も医療⾏為を拒否している場合、どの程度まで説得するか悩ましい
こどもが医療⾏為を拒否した場合に、保護者も同意していない中で医療⾏為をどこまで進めていくかの判断
が難しい

<医療機関との連携に関すること>
■医療機関等との調整に時間がかかる、連携が難しい







医療機関との連携や協⼒が必要になる場合が多いが、各医療機関の事情や⽅針により、調整に時間がか
かる場合がある
医療や司法への迅速な相談
医療機関を含む各関係機関との連携や意識共有
医療機関側のスピード感と、児童相談所側の調整に時間を要する点に乖離が⽣じる場合
医療機関や関係機関が保護者との対⽴を懸念して、協⼒を拒否することがある(虐待情報を保護者に伝
えることを拒否する、医療の⽴場から不適切であることを説明しないなど)
通告元は病院や学校になる場合が多いと考えられるが、思想信条等を理由に医療ネグレクトをする保護者
であれば、通告した関係機関との関係性の破綻や、⼀時保護に納得しないなど、やり取りが難しいことが懸

19