令和7年3月 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトに関する調査研究 報告書 (28 ページ)
出典
公開元URL | |
出典情報 | 保護者の思想信条等に起因する医療ネグレクトへの対応について(8/7)《こども家庭庁》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
保護者が同意しなかった内容とその理由について聞いたところ、以下の回答があった。
■化学療法の拒否
がんの治療にあたり、当初より抗がん剤による治療に抵抗を⽰しつつも同意をしたが、その後の維持治療を
拒否した。親族が抗がん剤治療等で衰弱した様⼦を⾒てきたことから、本児にそのような負担をかけたくない
との思いがあり、東洋医学的な治療や量⼦医学での治療を希望
本児が⽩⾎病の疑いで⼊院したが、抗がん剤や放射線による治療ではなく、栄養管理を主体とした⾃然派
療法を希望し退院した
⽩⾎病の初期治療については⽗⺟とも協⼒的であったが、退院し、外来化学療法に移⾏した時点で治療
拒否。化学療法は化学物質を体内に⼊れ、副作⽤もあるとの考えで拒否した
■特定の薬物の拒否
喘息で救急搬送となったが、搬送先の医療機関が提案したステロイド使⽤を伴う医療⽅針に対し、養育⽅
針に反するとして保護者が拒否したもの
保護者⾃⾝がアトピー性⽪膚炎に罹患していた経過があり、ステロイド・添加物に対する忌避感が強く、ネッ
ト上にある「〇〇で代⽤」などの情報を信⽤しているため、低体重出⽣の新⽣児に対するビタミン K 製剤の
投与ならびに低体重出⽣の新⽣児に対する感染症治療のための抗⽣剤投与を拒否
実⽗が外国⼈で、⽇本の医療機関は強制的かつ医師が上から⽬線で物を⾔う点が嫌だった。また、⺟国
では危険とされる薬剤が使⽤されており緊張していたと述べた
■医療⾏為の拒否
宗教の信仰を理由とした輸⾎の拒否
保護者が服薬全般に対し拒否的であった。また宗教上の協議から特定の⾷品による治療が効果的である
との主張をくり返した
こどもが衰弱し危険な状況になっているにも関わらず遠⽅にいる漢⽅医に傾倒していた
重⼼状態の本児に延命治療的な医療⾏為が正しいのか分からないと拒否された
妊娠中に胎児に複数の疾患等が発覚。出⽣後直ちに⼿術しなければこどもの命に関わる疾患があったにも
かかわらず、0 歳児に多⼤な負担が⽣じる⼿術を受けさせるのはかわいそう、また、障害を抱えた⽣活を強い
るのも耐えられない、との理由で⼿術を拒否した
⼿術を実施したとしても⻑期延命が⾒込めないとして、⼿術に不同意だった
⼊院加療しているが、状況が良くならないのなら不要との考え⽅により、⺟は治療をやめてほしいという意向
で、⽗も点滴をやめてほしいとの意向であった
■医療機関の受診・⼊院の拒否
⺟の医療への不信感のため、⼩児科受診を拒否
⼀度受診した通院先から処⽅薬について説明がなく不安であったため、精神科受診及び内服を拒否
保護者が信仰する宗教上の理由で、こどもの喘息の治療を拒否
健診未受診の⾶び込み出産
こどもへの聴覚検査等の拒否
命の危険があるにも関わらず、⺟が検査に同意せず、⽗も黙ったままであった。保護者は、「虐待と捉えられ
ては困る」と、「予防接種は受けるつもり」と⽰す
⺟乳へのこだわりがあり、⼊院すると⼈⼯ミルクを与えられることへの不安
視線が気になるため、助産師や医療機関を頼らず、⽗⺟は⾃分達だけで⾃宅出産を実⾏
■⾃然派志向によるこだわり
⾷品や薬の服薬等へのこだわりが強く⾃然派志向であるため、⼊院治療を拒否
実⺟、⼾籍上の実⽗、実⺟のパートナーともにいわゆる⾃然派的な考え⽅であり、こどもに絶対に必要な検
査・投薬でなければ受け⼊れないとの主張。インターネット上の情報を信頼している
補充療法について同意が得られなかった(薬のリスクの⼼配、⻄洋医学への不信感、他にできることを探し
たいとの理由)
26