会議資料 (81 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00042.html |
出典情報 | 医薬・生活衛生局が実施する検討会 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第68回 7/4)《厚生労働省》 |
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要望番号;IV-168
ライン治療としてリツキシマブ単剤療法、又はリツキシマブ+ベンダムスチン併用
療法を選択する。
2)Autoimmune hemolytic anemia(米国血液学会での教育講演要旨)58)
①
特発性温式 AIHA
• AIHAは稀な疾患であり治療の指針となるエビデンスが弱いが、2つのランダム化臨
床第III相試験において、特発性(一部、続発性含む)温式AIHAのファーストライン
治療としてプレドニゾ(ロ)ン単剤とプレドニゾ(ロ)ン+リツキシマブ併用療法
を比較している。デンマークの試験では、64例の患者がプレドニゾロン単剤又はプ
レドニゾロン+リツキシマブ併用療法(375 mg/m2を週1回、4週間投与)に無作為に
割り付けられた。12ヵ月後の奏効率はプレドニゾロン+リツキシマブ群で有意に高
く(75% vs 36%、p= 0.003)、有害事象に関して差は認められなかった。仏国の試験
では、32例の患者がプレドニゾン+プラセボ群、プレドニゾン+リツキシマブ群(リ
ツキシマブを1日目と15日目に各1 g投与)に無作為に割り付けられた。主要評価項目
である12ヵ月時点における全奏効率はリツキシマブ投与群で有意に高く(75% vs.
31%、p= 0.032)、有害事象も同様であった。理想的には、輸血の必要性、ステロイ
ドの累積投与量、及び健康関連のQOLに対してリツキシマブが与える影響を明らか
にするためにより長期間の大規模な試験を実施することが、ファーストラインの標
準治療の確立に役立つと考えられる。しかし、副腎皮質ステロイド薬は再発患者の
救済に使用されることが多く、長期使用は感染症、糖尿病、骨折の大きなリスクを
伴うことから、高齢者や併存疾患を有する患者には、比較的短期の副腎皮質ステロ
イド薬にリツキシマブをファーストライン治療として使用することが示唆されてい
る。
• 最新の英国と仏国のガイドラインでは、リツキシマブが推奨されている。これは、
比較的多くの症例集積が報告され、その有効性と忍容性の確実性が高まったことを
反映している。154例の患者を対象としたメタ・アナリシスでは、リツキシマブに対
する温式AIHAの全奏効率は79%であったが、全例がファーストライン治療としてで
はなく、一部でステロイドを併用していた。リツキシマブを投与されたAIHA患者364
例中38例(14%)に有害事象が発現し、その中には18例の重症感染症が含まれていた。
奏効した患者の約25~50%は2~3年以内に再発し、長期の奏効率は不明である。
②
特発性CAD
• ファーストライン治療は通常、リツキシマブ(375 mg/m2を週1回、4週間投与)であ
る。温式AIHAと比較して奏効率が低い理由は、基礎疾患としてクローン性のリンパ
増殖性疾患が存在するため、又は奏効基準として溶血だけでなく寒冷関連症状やク
ローン性疾患の改善も含まれているためと考えられる。奏効期間中央値は11ヵ月で
あったが、奏効した10例中6例はリツキシマブ2コース目においても奏効を認めた。
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