資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加(令和10年度適用分)について研究班から情報提供のあった疾病(個票)(第68回指定難病検討委員会において検討する疾病) (92 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
不整脈原性右室心筋症(ARVC:arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy)は、右心室を中心に
脂肪変性・線維化が進行し、右室起源の心室不整脈及び心不全を生じる進行性疾患である。好発年齢は
30 代から 40 代とされているが、心室不整脈を 10 代で発症し、突然死をきたすこともある。
2.原因
細胞間接着斑デスモソームに関連する遺伝子のヘテロ接合性バリアントもしくは遺伝子複合バリアントの
関与が示唆されている。非デスモソーム遺伝子バリアントを原因とする場合や、遺伝子バリアントが同定さ
れない症例もあり、原因不明の症例も少なくない。
3.症状
心室期外収縮の多発や心室頻拍による動悸、ふらつき、失神などを認める。心室の構造的変化が軽度
もしくは明らかな心機能低下がない時期から致死性不整脈を発症し、突然死をきたしうる。
心室の機能障害が進行すると心不全による呼吸困難、倦怠感、浮腫などの低灌流及びうっ血による症
状をきたす。心不全は不可逆性、かつ進行性であり、既存の薬物治療では進行を予防できない。
日本人において最も多く認められるデスモグレイン2(DSG2:desmoglein-2)バリアントにより発症する
ARVC では、左室機能障害を伴いやすく、心不全による死亡、心臓移植を必要とするリスクが高い。
4.治療法
ARVC に特異的な治療はない。競技スポーツなどの過激な運動は禁止する。致死的な心室不整脈に対
しては β 遮断薬、アミオダロンなどの抗不整脈薬、カテーテルアブレーション、植込み型除細動器による治
療が行われる。心不全に対しては標準薬物治療が行われ、心不全が重症の症例では、強心薬や補助人工
心臓を用いた治療が行われる。根治的療法は心臓移植以外にはない。
5.予後
2015 年の欧米のコホートでは、ARVC 患者 416 名の7年間の追跡で、持続性心室頻拍の発症率は 69%、
心臓移植の実施は4%、死亡は6%と報告されている。我が国のコホートでは、ARVC 患者 254 名の 10 年
間の追跡で、持続性心室頻拍・心室細動の発症率は 46%、心不全入院は 14%とされる。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
およそ 2,000 から 3,000 人(2024 年に実施した特発性心筋症の診断・ゲノム情報利活用に関する調査研究
(全国アンケート調査で回答を得た、1 年間で診療した特発性心筋症症例数と臨床個人調査票記載数等)
の結果から、およそ 2,000 から 3,000 人と推定)。
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