資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加(令和10年度適用分)について研究班から情報提供のあった疾病(個票)(第68回指定難病検討委員会において検討する疾病) (86 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV:Triglyceride deposit cardiomyovasculopathy)は、2008 年に我が国の
心臓移植待機症例から見出された心血管疾患である。2009 年から厚生労働省難治性疾患克服研究事業
として研究が進められてきた。心筋細胞、血管平滑筋細胞等において、本来のエネルギー源である中性脂
肪(TG:triglyceride)の分解が何らかの原因で障害されるため、細胞内に TG が蓄積するとともにエネルギ
ー不全(Energy failure)が生じると考えられている。臓器レベルでは、心筋への TG 蓄積、TG 蓄積型のびま
ん性冠動脈硬化を来し、患者は成人発症の心不全、冠動脈疾患、心室性不整脈等を呈する。TG が異所的
に細胞内に蓄積することが特徴で、血清 TG 値や体格指数(Body mass index)などは、診断的価値がない。
2.原因
本症の発症の機構、病態進展機構は未解明である。
3.症状
生来健康で、青年期から壮年期に心不全症状、狭心症状、不整脈症状、全身倦怠感等が出現する。発
症後、長期の療養が必要で、最近行われた TGCV 患者会のアンケート調査によると平均療養期間は 10 年
(最短7か月~最長 27 年)である。進行すると動悸、息切れ、労作時呼吸困難、易疲労感、浮腫、咳、体重
増加、頻尿(特に夜間)などの心不全症状を訴える。重症例では安静時呼吸困難、起座呼吸などを呈する。
本症に認められる冠動脈病変は、びまん性であることが特徴であり、冠攣縮を持つ場合も多い。狭心症は
労作時のみならず安静時や夜間にも生じる。ニトログリセリン錠、亜硝酸薬が奏功しない場合がある。また、
不整脈による脈の欠滞、動悸、意識消失発作などを来す場合がある。心肺停止の既往を持つものが多く、
突然死例の報告もある。Energy failure に関連する症状として全身倦怠感、寒冷耐性の低下、空腹時の易
疲労感を訴える場合がある。その他の臓器細胞障害として、膵外分泌・内分泌細胞、糸球体足細胞、タイプ
I 型線維、末梢血顆粒球(Jordans 異常、後述)等へ TG 蓄積が報告されている。上述の如く TGCV は、最
近、発見された病態であり、認知度が低いため診断遅延、別診断、未診断の問題が存在する。2013~2018
年のレジストリ調査では、発症から登録までの期間は約 10 年であった。
4.治療法
心不全、狭心症、不整脈に対する内科的又は外科的な標準治療を行うが、治療抵抗性である。大阪大
学医学部附属病院でアカデミア開発された治療薬 CNT-01(トリカプリン/トリスデカノインを主成分)は、日
本医療研究開発機構の難治性疾患実用化研究事業として3度の医師主導治験が行われた結果、2020 年
6月 19 日、厚生労働省より先駆け審査指定制度対象品目に指定された(薬生薬審発 0619 第 1 号)。2025
年 12 月 18 日、大阪大学医学部附属病院が再指定を受けて開発が継続されている。
5.予後
2026 年6月までに診断された 1,206 例中、174 例が既に死亡している。死亡例のほとんどは心臓死又は
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