資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加(令和10年度適用分)について研究班から情報提供のあった疾病(個票)(第68回指定難病検討委員会において検討する疾病) (106 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
先天性高インスリン血症は、先天性、持続性のインスリン過分泌により症候性の低血糖症をきたす疾患で
ある。
2.原因
遺伝性。およそ半数は膵 β 細胞上でインスリン分泌の調節を行うATP依存性カリウムチャネルを構成する
SUR1、Kir6.2 サブユニットをコードする ABCC8、KCNJ11 遺伝子変異による。その他は頻度の低い遺伝子
変異による。遺伝学的検査で病的変異が同定されるものは約 50%である。
3.症状
主に新生児、乳児期に低血糖症状を認めるが、小児期以降の発症例もある。低血糖による症状として、発
汗、意識障害、けいれんなどがみられる。低血糖は加齢とともに軽快傾向になることが多いが、成人期にも
残存することがある。低血糖や、一部は疾患そのものの性質による神経後遺症を残すことがある。また、治
療のために膵亜全摘を行った症例ではインスリン依存性糖尿病を高率に発症するほか、膵外分泌機能低
下による消化不良症状をきたす。
4.治療法
高濃度ブドウ糖の持続静注、持続鼻注・胃瘻による血糖維持の他、内科的治療としてジアゾキシド内服、ソ
マトスタチン受容体アナログ(オクトレオチド等)皮下注、グルカゴン静注・皮下注が行われる。内科的治療
の反応不良例においては、病変が限局型の場合、病変部の膵切除が行われ、びまん性の場合には膵亜
全摘が行われる。合併する中枢神経後遺症に対しては、リハビリテーション、生活の介助、けいれん発作時
の救急治療のほか、抗けいれん薬の投与が生涯行われる。また、術後の糖尿病を発症した場合には毎日
のインスリン投与、合併症に対する治療、急性の高血糖、低血糖に対する治療が行われる。膵外分泌機能
低下に対しては消化酵素剤の生涯の内服が行われる。
5.予後
重症例、管理不良例では神経後遺症の頻度が極めて高い。膵切除により病変が取り切れた場合は治癒し
うる。膵亜全摘を行った症例の多くは加齢にともないインスリン依存性糖尿病を発症する。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
約 500 人(平成 30 年度厚生労働省研究班全国調査による推計)
2.発病の機構
104