資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加(令和10年度適用分)について研究班から情報提供のあった疾病(個票)(第68回指定難病検討委員会において検討する疾病) (81 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT:Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia)は運
動あるいは情動ストレスがきっかけとなり、多形性心室頻拍を惹起し失神発作や心停止をきたす稀な遺伝
性不整脈である。多くが 20 歳までに発症し、初発が心停止や突然死であることもある。小児から成人期の
心臓突然死の原因として重要である。非発作時には明らかな臨床所見に乏しい。稀に精神発達遅延を合
併することもある。
2.原因
原因遺伝子は患者の約6~7割に心筋リアノジン受容体(RyR)の遺伝子 RYR2 の病的バリアント(主に機
能獲得型)を認め、その他に CASQ2 や TRDN、TECRL のバリアントも稀だが報告がある。一方、病態は必
ずしも十分解明できておらず、心筋細胞内の筋小胞体におけるリアノジン受容体からのカルシウム(Ca)放
出異常が原因と考えられている。運動や過度のストレスによる交感神経緊張によって、心室性不整脈を生
じ、さらに心室細動に移行すると心停止、突然死をきたす。
3.症状
運動や情動刺激時の意識消失(失神)又は心室細動(VF:Ventricular Fibrillation)による心停止を認める。
未治療の場合、半数以上が発作を起こすと考えられる。発作回数(頻度)についてデータはないが、年1~
2回程度と推定される。
安静時心電図では約 20%の症例で洞徐脈が認められ、一部の症例で明らかな U 波が認められる。心房
細動や洞不全症候群などの上室不整脈が 16~26%の症例で認められる。負荷心電図では典型例では運
動(又はカテコラミン負荷)により心拍数が 120/分以上を維持すると、単形性心室期外収縮(PVC:
Premature Ventricular Contraction)が出現し、運動を継続した場合、多形性 VT、二方向性 VT が出現する。
きわめて速い VT・VF が誘発されると失神を引き起こす。このような運動時に二方向性 VT を認めた場合に
は、CPVT の診断的価値が高い。
画像診断(CT・MRI)、心臓超音波検査、血液・尿検査、神経学的検査、病理・組織所見では明らかな異
常を認めない。
4.治療法
根治のための治療法はない。激しい運動や精神的ストレスを回避する。β遮断薬内服やフレカイニドの
長期にわたる内服によりある程度発作を抑制できるが、完全ではない。高リスク例(VF 蘇生後など)につい
ては植込み型除細動器(ICD)が勧められ、ICD により心室細動・心停止による突然死を防止する効果は期
待できるが、心室不整脈そのものを抑制するわけではなく、ICD 植込みによる合併症や予後についても明ら
かではない。
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