資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加(令和10年度適用分)について研究班から情報提供のあった疾病(個票)(第68回指定難病検討委員会において検討する疾病) (48 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
ROHHAD 症候群は、急性発症型肥満(Rapid-onset obesity)、視床下部機能障害(Hypothalamic)、中枢
性低換気(Hypoventilation)、自律神経調節障害(Autonomic Disorder)の臨床症状を特徴とする疾患群であ
る。神経節腫瘍の合併例では ROHHAD-NET 症候群とも呼ばれる。本症候群では神経節腫瘍合併の有無
によらず血清中の抗 ZSCAN1 抗体や抗 Nax 抗体が検出されている。自己免疫的機序により脳室周囲器官
の炎症から、多彩な視床下部障害、下垂体機能障害、中枢性低換気、自律神経症状を示す。抗体産生に
関する詳細な病因等は不明である。治療法は未確立で、対症療法が中心となる。
2.原因
原因は不明である。一部の患者の血清中に、抗 ZSCAN1 抗体や抗 Nax 抗体が検出され自己免疫的機
序が示唆されている。抗 ZSCAN1 抗体、抗 Nax 抗体が陽性となる症例の一部で神経節腫瘍の合併例が報
告されているが、神経節腫瘍のない症例もあり、腫瘍性疾患とは言えず、抗体産生の詳細なメカニズムは
不明である。
抗体が脳弓下器官などの脳室周囲器官に対して炎症、細胞死を引き起こし、視床下部下垂体障害を惹
起することが示唆されている。
現時点、明らかな疾患責任遺伝子は同定されていない。
3.症状
1)急性発症型肥満:幼児期から小児期に、明らかな原因なく短期間で急速な体重増加を示すことが多い。
肥満は本症候群の代表的症状であるが、発症初期には肥満が明らかでない例もあり、経時的な体重増
加や成長曲線の変化を含めて評価する。
2)視床下部・下垂体機能障害:下垂体ホルモンの障害により多彩な症状を呈する。視床下部障害として視
床下部性肥満、体温調節障害等を呈する。
3)中枢性低換気:慢性的な中枢性低換気を呈する。高 CO2 血症から認め、徐々に低酸素血症を伴い、感
染症の併発時や長期経過において致死的となる場合がある。
4)自律神経症状:便秘、多汗、手指冷感、徐脈、体温調節障害、眼振等を慢性的に認める。病初期から認
めやすく、非肥満例では本症候群を疑う症状の一つとなる。
4.治療法
下垂体機能障害に対しては、各ホルモン欠損や異常に対する診断基準及び年齢に応じた適応に基づき
下垂体ホルモン補充療法を行う。中枢性低換気ならびに肥満に伴う睡眠時無呼吸症候群に対しては非侵
襲的陽圧換気等の人工呼吸管理が中心となる。
一部の重篤な症例において、ステロイドパルス療法や免疫グロブリン治療等の免疫抑制治療を施行した
報告があるが、治療法としては確立していない。
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