資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加(令和10年度適用分)について研究班から情報提供のあった疾病(個票)(第68回指定難病検討委員会において検討する疾病) (10 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75704.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第68回 9/1)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
発達性てんかん性脳症(developmental and epileptic encephalopathy: DEE)とは、難治性てんかん発作、
てんかん性脳波異常、及び発達の停滞・退行を特徴とする重篤な神経発達疾患である。特に遺伝子異常
による DEE は、主として新生児期から乳幼児期に発症し、薬剤抵抗性てんかんを呈することが多い。てん
かん発症前から発達の遅れを認めたり、発症後に発達の停滞あるいは退行を来すことがあり、これらの障
害は経過とともに顕在化・重症化する。病態には、原因となる遺伝学的異常そのものに加え、頻回のてん
かん発作や持続するてんかん性脳波異常による脳の発達への影響が関与しており、両者が相互に発達に
影響を及ぼすものと考えられている。
Online Mendelian Inheritance in Man(OMIM)では、2026 年5月現在 121 の DEE 関連遺伝子が登録され
ているが、本疾患では、既に指定難病の対象となっている疾患の原因遺伝子及び臨床像がこれらに一致
する病型を除外した、36 遺伝子を対象とする。なお、本疾患は 36 遺伝子を原因とする疾患を包括するもの
ではなく、36 遺伝子に関連する疾患のうち、共通する DEE の表現型を呈する患者を対象とする。
2.原因
発達の停滞あるいは退行、てんかん発症に関しては、遺伝学的機序とてんかんによる脳の発達プログラ
ムの阻害の2つの要因が想定されているが、発症機序については十分には解明されていない。分子遺伝
学的基盤に伴う脳の構造や機能の変化が、生後早期からのてんかんと全般的発達遅滞、神経学的合併症
の原因と推測され、神経細胞の移動・増殖・組織化、シナプス形成、イオンチャネル、神経伝達物質受容体、
トランスポーター、細胞代謝、細胞内輸送、シグナル伝達、ミトコンドリア機能など様々な機能に関与する遺
伝子が、疾患原因遺伝子として同定されている。
3.症状
それぞれの原因遺伝子によって、幅広い遺伝子-表現型スペクトラムを有するが、全てに共通する特徴と
して、難治性のてんかん発作とてんかん性脳波異常、発達の停滞あるいは退行、及び多彩な神経学的合
併症を認める。てんかんの発作型や脳波所見は多様であり、新生児期から乳幼児期に発症する薬剤抵抗
性てんかんを呈することが多い。脳波所見は経時的に変化することがあり、一部の患者ではてんかん発症
初期に脳波異常を認めない場合もあるが、経過中に背景活動の異常や高度のてんかん性異常を認めるこ
とが多い。発達異常の程度は様々であるが、多くの患者に全般的発達遅滞、知的障害、運動機能障害を
認める。また、自閉スペクトラム症、行動障害、精神症状、睡眠障害、言語障害、呼吸障害、消化器障害な
ど、多彩な神経学的・全身性合併症を伴う。
4.治療法
現在疾患特異的な治療法はなく、てんかんなどの個々の症状を対象とした対症療法のみである。てんか
んに対しては薬剤抵抗性の場合がほとんどであり、抗てんかん発作薬は多剤併用となることが多い。薬物
療法に不応の場合にはケトン食療法、迷走神経刺激療法などが行われることもある。身体合併症や発達
に対しては早期からリハビリテーションや療育などの介入を開始する
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