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【資料2-6】候補成分へのご意見募集に寄せられたご意見 (70 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58149.html
出典情報 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第32回 5/23)《厚生労働省》
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性と生殖の医療に対する羞恥心を減らし、適切なときに医療にアクセスしすい環境にするための教育や啓発をしていくことこそが、いま
の日本におけるもっとも喫緊の課題なのではないか。
ED という、緊急性は低いが将来の不妊や夫婦間コミュニケーションの不和に繋がる恐れのある症状こそ、その原因を男性も女性も正しく
理解して改善していくために、医療機関受診率を上げることを先に目標とすべきである。
安易なスイッチ OTC 化は、さらに受診率を下げてしまうことも懸念される。
加えて、知識のない男性が「勃起不全改善薬」と銘打たれている市販薬を容易に入手できるとなれば、本来服用する必要のない男性が悪
用し、性犯罪などにつながる恐れもある。
事実、中高年男性によるバイアグラを用いた買春は国内外で横行している。
ED 治療薬は、不妊治療などで切実にその治療を必要としている男性にのみ、適切な診療と説明の上で処方されるべきものであって、単に
性交渉をしたいという欲求によってむやみに購入できるものであってはならない。
「知識のない女性が悪用する」という頓珍漢な理由でスイッチ OTC 化を阻まれている緊急避妊薬は、女性の身体と心を守るものであるの
に対し、専門医療機関によるフォローアップもままならない ED 治療薬が「ED は男の恥だから」という理由でスイッチ OTC 化されると
いうのは、まったく日本の性と健康に対する男尊女卑を表しており、完全に優先順位を誤っている。
以上の理由で、ED 治療薬の拙速かつ安易なスイッチ OTC 化には反対する。
タダラフィルの薬局販売に関する懸念点を下記に記載いたします。
・健康を著しく損なうの恐れ
勃起不全治療薬は主に性交を目的に利用されます。性交は心臓に大きな負荷をかけますが、勃起不全に悩む患者の多くは高齢者であり、
性交そのものにリスクが伴います。また、狭心症治療薬であるニトログリセリンはタダラフィルの禁忌にあたります。
・スティグマ強化の恐れ
薬局販売が求められる理由の一つに受診が恥ずかしいというものがありますが、これは勃起不全を恥と見做す社会的価値観に大きく影響
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を受けていると思われます。薬局販売によって医療機関へアクセスする患者が減ることで、専門的な意見や同じ悩みを持つ患者との接触
機会も減り、この勃起不全に対する社会的スティグマが強化される可能性を考えます。
勃起不全の発症原因は様々であり、また不妊の一因にも挙げられます。これに対するタブー視は男性の心身の健康を損ない、同時に不妊
の責任等をより女性のみに押し付ける結果にも繋がります。病院への受診を勧めるべきだと思われます。
・性犯罪への悪用の恐れ
勃起不全を理由に犯行を諦めていた者が薬を入手することで犯行に及ぶ可能性があります。日本では性犯罪に関して社会的・法的にあら
ゆる問題があります。緊急避妊薬の薬局販売も進んでいません。

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