【資料2-6】候補成分へのご意見募集に寄せられたご意見 (113 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58149.html |
出典情報 | 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第32回 5/23)《厚生労働省》 |
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添付文書の警告内容は、これらのリスクが非常に重大であることを示しています。医師の診断や継続的な管理がなければ適切に対応する
ことが難しいため、OTC 化による自己判断での使用することにより、重篤な禁忌症例が増加する可能性は避けられません。
2.医薬品の誤用・乱用のリスク タダラフィルは、正しい用法・用量で使用しなければ十分な効果を得られないだけでなく、副作用のリス
クが増大します。OTC 化された場合、かえってインターネットや非公式なルートでの購入や、誤用が広がることが懸念されます。特に、
他の薬剤との相互作用について十分な知識がないまま使用されることで、健康被害を引き起こす可能性があります。
3.国際的な事例との比較 世界的に見ても、タダラフィルのような薬剤が OTC として販売される例は非常に少ないのが現状です。
アメリカでは、オンライン診療を通じて処方されるケースが近年は多いようですが、薬局で処方箋なしに購入することはできません。ま
た、FDA(食品医薬品局)は、現在のところ PDE5 阻害薬を完全な OTC として認可していません。患者の安全性と薬の誤用リスクが理由
として挙げられています。
確かに、個人輸入による海外製品の大半は、偽造品であり、それによる重篤な副作用や死亡例などが散見されます。
一方で、国内で製造されているタダラフィルなどの PDE5 阻害剤による大きな事故の報告がないのは、事前に医師が慎重な問診を行なっ
た上で処方を行なっているのが、誤用を事前に防ぐ抑止力になっていることが考えられます。
OTC 化されることにより、タダラフィルの不用意な誤用が増えることは避けられません。
専門医の我々ですら、既往歴や併用内服薬の問診には細心の注意を要した上で、医師の責任の下、当該薬剤を処方しています。もともと
保険外診療での処方薬が、万が一、OTC 化された結果、患者の誤用により救急処置や集中治療室での管理が必要となった際の高額の治療
費が保険診療で賄われることになることを考えると、医療経済の観点においても、OTC 化するメリットがあるのでしょうか?
結論
タダラフィルは、添付文書の冒頭にもあるように、既往歴や併用薬によっては、致死的な副作用を生じる可能性があります。したがって、
この薬剤は、安全性の観点からは、やはり医師の診察と指導のもとで使用されるべきであり、OTC 化の議論は慎重に見直す必要がありま
す。性機能専門医として、先述の理由により、タダラフィルの OTC 化は、賛成しかねます。
タダラフィル(ED 治療薬)のスイッチ OTC 化には、反対です。何故なら、次のようなデメリットがあると考えられるからです。
(1)誤った服用による健康被害
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個人
「タダラフィルは正しく服用すれば安全性の高い医薬品である」とされていますが、服用する男性患者全員が正しく服用できるとは限り
ません。医師からの処方箋が不要になれば、患者本人の健康管理の意識が低下し、本来は服用してはいけない男性が購入して服用したり、
オーバードーズを行う男性が増えてしまう恐れがあります。
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