【資料2-6】候補成分へのご意見募集に寄せられたご意見 (121 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58149.html |
出典情報 | 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第32回 5/23)《厚生労働省》 |
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2024 年に開催された国連女性差別撤廃条約では、
「すべての女性と女児に、緊急避妊薬を含む手頃な価格の現代的避妊法への十分なアク
セスを提供すること。これには、16 歳と 17 歳の女児が避妊法を利用するために親の同意を得るという要件を撤廃することも含まれる」
ことが勧告されていました。
緊急避妊薬の OTC 化は、女性の健康と権利を守るうえで喫緊の課題です。特に、日本では医療機関の診察を受けることが避妊のタイムリ
ミット内に間に合わず、望まない妊娠に至るケースが懸念されています。これは、女性が自身の体と健康に関する決定を行う権利を阻害
する要因の一つです。
上記の緊急避妊薬の OTC 化を求める国際的な勧告や、日本国内での世論の高い支持にもかかわらず、進展が見られない状況は深刻だと考
えています。一方で、ED 治療薬の OTC 化が優先されることには、医療アクセスにおける公平性や緊急性の観点から疑問を感じざるを得
ません。
緊急避妊薬の OTC 化は、女性の健康に直結し、国際的なジェンダー平等の実現にも貢献する重要な一歩です。政府が緊急避妊薬の OTC
化を優先し、女性が必要な時に速やかに避妊薬を入手できる環境を整備することを強く求めます。
私は ED 治療薬(タダラフィル)の「時短スキーム」での OTC 化に反対です。ED 治療薬の OTC 化そのものには賛成しています。なぜな
ら男性不妊の問題が顕在化している中で、多くの方がこの薬によって助けられることを理解しているからです。
しかし ED 治療薬(特にバイアグラなど)が性暴力などに悪用されるリスクが高いことを考えると、安全性が十分に確保されないまま時
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短スキームで OTC 化を進めることには疑問を感じます。さらに、緊急避妊薬の OTC 化が進まない現状で、ED 治療薬だけが優先されるこ
とには納得がいきません。また、成分情報等シートに記載されている「日本では不妊治療が女性主体で、男性側に原因がある場合でも専
門施設が少なく、男性患者が受診を避ける傾向がある」という現状を踏まえると、まずは男性も不妊治療を受けられる医療体制を整備す
ることが優先されるべきだと思います。悪用のリスクを軽視し、安全性を確保しないまま ED 治療薬(タダラフィル)の OTC 化を時短ス
キームで進めることには強く反対します。産む権利も産まない権利も両方してください。
わたしは、ED 治療薬のスイッチ化について再検討を求めます。
理由・根拠:OTC 化の目的・必要性について根拠が薄く、男性不妊の問題、離婚の問題、少子化の問題を根本的に解決するツールにはな
らないと強く考えるからです。男性不妊の当事者が抱える、自尊心の低下や性的能力に対する不安は男性だけが抱える問題ではないです
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個人
し、ED そのものが問題ではなく、
「男らしさの押しつけ」
「不妊は不完全」といった固定偏見に起因しています。これを解決するには、包
括的性教育やジェンダー教育を強化し、社会全体で多様な性の在り方を受け入れる認識を広めることが必要です。
「産む能力がすべてでは
ない」という価値観の広がりが、生きやすさにつながります。また、「恥ずかしい」「面倒くさい」という感情が病院受診を妨げる要因に
なるとされていますが、それが医療機関の受診を避ける理由として正当化されるべきではなく、ED 治療薬のスイッチ化は、むしろ問題を
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