よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【資料2-6】候補成分へのご意見募集に寄せられたご意見 (114 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58149.html
出典情報 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第32回 5/23)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

※ED 患者とその妻が「子供が欲しい」という理由で ED 治療を希望する場合は、尚更医療機関に相談し、処方してもらう必要があると思
います。不妊に悩む男性のための施設が少ないのであれば、国が支援して増やすべきです。
(2)性的なことに関する誤った認知の拡大
タダラフィル(ED 治療薬)の OTC 化を目指す理由の一つに、
「ED によって自尊心の大きな低下を感じている」男性の気持ちを和らげる
ことにあるそうですが、そもそも「ED であることは男性として不完全・障害・恥」と認知する社会こそ問題があります。ED の治療薬が
今よりも気軽に入手できるようになったら、その誤った認知がより一層拡大してしまう可能性があります。
「勃起してこそ男! 射精は男
の醍醐味!」と思い込む男性が増えてしまうかもしれません。
ED に悩む男性に対する最良の治療法は、
「ED になること自体は恥ではない。ED になってもならなくても、一人の男性として、一人の人
間としての尊厳はある」と諭したり、
「勃起することや、性的な快楽を得ることだけが人生ではない」という認知を持たせることだと思い
ます。
ED 患者が、妻(又はパートナー)との関係性の悪化を懸念するのであれば、
「勃起したペニスを膣に挿入する」以外の方法で性的な触れ
合い(キスをする、ハグをする等)をするか、セックス以外の愛情表現(お喋りする、家事を協力し合う、一緒に散歩する等)を増やせ
ばいいと思います。確かにセックスは大切なコミュニケーションかもしれませんが、何も「勃起すること」にこだわる必要はありません。
そもそも、高齢になればなるほど勃起が難しくなるのは、生き物として自然なことです。老後も夫婦(もしくはカップル)の関係を充実
させるためには、セックス以外のコミュニケーションを増やすことがとても重要です。
(3)国内外の人々から「日本は男尊女卑の国」と思われる可能性がある
日本では、かつてバイアグラ(ED 治療薬の一つ)の承認申請が出されてから、臨床試験が無いまま、たった半年で承認された一方で、低
用量ピル(女性が服用する避妊薬)の承認が欧米に比べると何十年も遅れたという過去があります。こういった歴史があることは、国内
外の人々に「日本は男尊女卑の国だ」というネガティブな印象を与える可能性があります。
妊娠を望んでいないのに妊娠するかもしれない女性(性暴力の被害に遭ったり、避妊に失敗した女性)が服用する緊急避妊薬の OTC 化
は、欧米諸国に比べると遅々として進まないことに対して、男性が服用するタダラフィルの承認に関しては、かなりのスピード感で検討
されていることは、ダブルスタンダードの意識から生じているとしか思えません。
もし、タダラフィルの OTC 化が緊急避妊薬の OTC 化よりも早く承認されたら、国内外からの批判は免れないでしょう。
「日本は、女性の
人権を大切にしない国だ」と見なされて、国際社会の信頼を失う恐れがあります。
このような批判を避けるためにも、タダラフィルの OTC 化は実現しないほうがいいです。どうしても実現させたいのならば、緊急避妊薬
の OTC 化も、一日でも早く(できれば、タダラフィルが OTC 化する前に)全国規模に広げてください。
以上の理由から、ED 治療薬であるタダラフィルの OTC 化には反対いたします。

114
247 / 282