【資料2-2】厚生労働科学研究の成果のまとめ(令和6年度) (77 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》 |
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の た め の 研 究 」( 令 和 4 ~ 6 年 度 ) で は 、 非 エ イ ズ 関 連 悪 性 腫 瘍 ( NADM) が 血
友 病 HIV 感 染 者 の 大 き な 課 題 と な っ て い る 背 景 を 受 け て 研 究 を 実 施 し 、 血 友
病 HIV 感 染 者 で の 罹 患 率 は 2.59/100 人 年 と 、 高 頻 度 で NADM を 発 症 す る こ と
を 示 し た 。 ま た 、『 血 友 病 HIV/HCV 感 染 者 に 対 す る 癌 ス ク リ ー ニ ン グ の 手 引
き 』 を 作 成 し 、 ホ ー ム ペ ー ジ に 公 開 し 、 QR コ ー ド で 全 国 の 医 療 施 設 か ら ア ク セ
ス可能とした。
○血友病患者は長年運動を控えてきた人が多く、高血圧・高脂血症・糖尿病な
どのハイリスク集団である。また、近年の治療進歩による高齢化に伴い、新た
な合併症が懸念されているため、従来の標準的出血予防法を見直す必要性があ
る 。「 HIV 感 染 者 を 含 む 血 友 病 患 者 の 高 齢 化 に 伴 う 新 た な 合 併 症 に 関 す る 研 究 」
(令和4~6年度)では、その基礎となる疫学データの構築とリスク因子の解
明を行い、血友病患者が高率で罹患する疾患などを明らかにした。また血友病
性関節症の進行は、患者の関節状態・活動量および凝固因子補充量の関係で決
定されてきた。近年、血友病患者の高齢化に伴い、フレイル・サルコペニアに
よる筋肉量低下が関節症や身体活動に影響している。血友病では関節症や運動
忌避による筋力低下が懸念されるが、本研究は血友病患者の筋肉量が非血友病
よ り 低 下 し て い る だ け で な く 、 下 肢 筋 力 や 歩 行 能 力 低 下 と HIV が 有 意 に サ ル コ
ペニアに影響しており、新たな知見と確立することができた
○ 「 HIV 感 染 血 友 病 患 者 の 救 急 対 応 の 課 題 解 決 の た め の 研 究 」( 令 和 4 ~ 6 年
度)では、血友病等の止血機能異常症を有する患者が様々な生活習慣病・加齢
疾患を合併する頻度が増加し、それに伴って救急搬送を必要とする患者が増え
ていることに対し、止血機能異常症の救急診療の各段階の現状を調査し、改善
策 を 講 じ る た め の 「 止 血 機 能 異 常 症 の あ る 患 者 の 救 急 対 応 ガ イ ド ( 第 3 版 )」
を作成した。また、緊急時の薬剤供給についての医薬品卸売業者の取り組みに
ついて調査した。在庫している製剤については、各社、各支店によって大きな
ばらつきがあり、基本的には受注がある場合のみ製剤を在庫している状況が明
ら か と な っ た 。 WEB サ イ ト 「 止 血 ド ッ ト コ ム 」 に つ い て は フ ラ イ ヤ ー を 作 成
し、日本臨床救急医学会、日本血栓止血学会、日本救急医学会において、配布
した。さらに上記「止血機能異常症のある患者の救急対応ガイド」と同様の改
訂を実施した。
緊 急 時 患 者 カ ー ド を 改 訂 し 、「 止 血 ド ッ ト コ ム 」 を 案 内 す る QR コ ー ド を 追 記 し 、
記載する医療機関もかかりつけ医療機関と救急医療機関を併記する形式とした。
成人への配布に関しては先天性血液凝固因子障害等調査研究事業の申請書類とと
もに、各自治体から患者へ直接配布する方法に変更した。
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