資料 持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ) (81 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20250423zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》 |
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○ 医療機関への入院コストのうち、「光熱水費」や「室料」については、「医療」そのものではなく、医療技術や薬剤に適切にファイナンスするという医
療保険の本来の役割を果たし続けるとの観点からは、保険給付の対象外とすべきと考えられる。
○ 現状、65歳以上の一般病床・精神病床の入院患者と、65歳未満の全ての患者は、「室料」はもとより、「光熱水費」の負担がない。65歳以上
の療養病床の入院患者に限っては、「光熱水費」の負担はあるが、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)では徴収される「多床室の室料」
は負担していない。これら自己負担となっていない部分の費用については、医療保険でカバーされている。
○ 在宅医療を受ける患者との公平性の観点や、医療法上の病床区分で診療報酬上の取扱いを変えることの不合理性に鑑みれば、年齢や対象
疾患・対象病棟に関わりなく、患者の負担能力に応じて、光熱水費・室料を自己負担として求めることを検討すべきではないか。
◆現行制度
◆介護保険制度での取扱い
療養病床
370円(光熱水費相当)
0円
一般病床・精神病床
0円
0円
◆病床区分と診療報酬の関係
※ 別途、入院患者から「差額ベッド代」を徴収可能。
療養病床でも一般病床でも、診療報酬上は、例えば、回復期リハビリテーション病棟入院料
や地域包括ケア病棟入院料のどちらでも算定(届出)可能となっている。つまり、病床区分と
当該病床に入院する患者実態は明確に紐付いていないのが実態。
同じ65歳以上でも、例えば、ともに地域包括ケア病棟入院料を算定しており、機能・評価が
同等の医療を受けているにも関わらず、入院先が療養病床か否かで、光熱水費負担の有無
が変わるのは不合理ではないか。
◆在宅との均衡
これまで、「地域完結型」の医療を目指し、病床機能の分化・連携と、在宅医療・介護までの
切れ目ない提供体制の構築が目指されてきた。
「居住コスト」という生きていく上での基本的な費用について、入院患者であるか、在宅療養者
であるかで負担の在り方が異なるのは、(少なくとも医療政策としては)不公平であり、患者
にとっての最適な医療選択を歪める惧れもあるのではないか。
食費
光熱水費
室料
食費
光熱水費
室料
食費
光熱水費
室料相当
基本
サービス費
基本
サービス費
基本
サービス費
個室・多床室
個室
多床室
介護老人福祉施設
(特養老人ホーム)
自己負担
65歳未満
自己負担
65歳以上
自己負担
(医療法上の病床区分)
※ 補足給付対象外の入居者であれば、
自己負担額は自由に設定可能。
介護老人保健施設
・介護医療院
【介護保険制度における「補足給付」の仕組み】
介護保険では、食費及び居住費(光熱水費・室料)に係る
自己負担額について、負担能力に応じた軽減措置を実施。
介護保険の給付範囲ではないとの前提で、その対象に対して、
暫定的・例外的・福祉的な措置として、介護保険から給付。
応能負担の徹底の観点から、保有資産を勘案の上で、補足給
付の対象の可否・給付額を決定。
【改革の方向性】(案)
○ 医療機関の入院患者に係る光熱水費・室料については、介護保険制度での取扱いも参考にしつつ、患者の負担能力に応じた
形で、保険給付から除外し、自己負担とするべき。
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