資料 持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ) (59 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20250423zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》 |
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○ 2019年度から開始された費用対効果評価制度については、「市場規模が大きい、又は著しく単価が高い医薬品・医療機器」に対象
が限定されている。結果として、2025年3月時点で、43品目に対する評価の実施に留まっている。(うち32品目で価格引下げ)
○ 費用対効果の評価結果を反映させる価格調整範囲は、薬価全体ではなく、有用性系加算や営業利益に関する部分に限られており、
結果として、これまでの薬価の引下げ幅は最大▲9.4%にとどまる。また、保険償還の可否の判断に用いられていない。
◆費用対効果の測り方
費用(円)
既存の治療法と比較し、
「費用」と「効果」のバランス
を考える
治療方法が十分存在しない
稀少疾患(オーファン、指
定難病等)や小児用の医
薬品は対象外
◆費用対効果評価における価格調整範囲
評価対象品目
現状、薬価制度の「補完」としての役割に留まっている。
価格調整対象
価格調整の範囲は、極めて限定的。
b
※1 開示度が高い場合には
営業利益は対象外
a
比較対照品目
A
B 効果
(QALY)
指標としてICERを使用
※A・a:既存の治療法、B・b:評価対象品目
(Incremental Cost-Effectiveness Ratio) ※QALY:健康状態と生存年数を勘案して効果を数値化
増分費用効果比
(ICER) =
b-a(費用がどのくらい増加するか)(円)
B-A(効果がどのくらい増加するか)(QALY)
◎ QALY(Quality-Adjusted Life Year)
・ = QOL(Quality of Life)×生存年数
QOLは患者に対する質問
票の結果を数値化(0~1)
(例)完全に健康な状態で1年間生存する場合:1×1=1QALY
◆費用対効果評価の具体例
品目名
効能・効果
ゾコーバ錠
新型コロナ
比較対照技術
標準治療
(コロナ治療薬を用い
ない対症療法)
ICER(円/QALY)の区分
価格調整の結果
費用増加※
◎調整前価格:7,407.40円/錠
※ 比較対照技術に対し効果が同等
であり、かつ費用が増加
⇒調整後価格:7,090.00円/錠
※削減率:▲4.3%
製品総原価
※2 加算がない場合には、
調整対象とはならない
営業利益
※1
流通経費
加算部分
※2
消費税
・ 類似薬効比較方式の場合、有用性系加算のみ。
・ 原価計算方式の場合は営業利益も対象だが、開示度が低い場合に限定。
◆具体的な価格調整の方法
費用対効果評価の結果に応じて価格を調整
ICERが500万円/QALYを超えると薬価を引下げ
(抗がん剤など配慮が必要な医薬品については750万円を超えると引下げ)
・ 算出されたICERの値に応じて、有用性系加算部分は最大▲90%、
営業利益 部分は最大▲50%の価格調整
・ ただし、下げ止めの仕組みが設けられており、価格調整は有用性系
加算の加算率に応じて、調整前薬価の10%~15%が限度
なお、医療費の減少につながる品目等は価格を据え置き又は引上げ
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