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資料 持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ) (77 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20250423zaiseia.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》
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セルフケア・セルフメディケーションの推進 ②OTC類似薬の保険適用の在り方の見直し
○ OTC薬のある医療用医薬品に対する保険給付の在り方については、諸外国の例や、我が国の保険外併用療養費制度も参考に、概ね全ての自治
体でこども医療費助成が実施されていること等も踏まえつつ、必要な医療保障とのバランスを確保できる方策について、幅広く検討を進めるべき。

◆諸外国の例(医薬品に対する保険給付の在り方)

 医薬品の処方制限、有用性に応じた自己負担割合の設定、
定額自己負担といった様々な仕組みを持つ国が存在。

【英国】 ~軽度な症状に対する医薬品の処方制限~
医療費の抑制のため、重症ではない症状を有する患者に対する処方医薬品の交付
を減らし、OTC薬の購入を促すようにするため、2019年、NHS England によるガイ
ダンスが発行されている25。
25 NHS 、Guidance on conditions for which over the counter items should not
routinely be prescribed in primary care.
(出所)「国民が安心してセルフメディケーションできるICTやIoT技術を活用したOTC医薬品の販売・授与に関する調査研究」
(研究代表者 昭和大学薬学部 赤川圭子氏)

【仏国の例】 ~薬剤の種類に応じた患者負担割合の設定~
0%

抗がん剤等の代替性のない高額医薬品
国民連帯の観点から負担を行うべき
医療上の利益を評価して分類
(医薬品の有効性等)

重要

35%

中程度

70%

軽度

85%

不十分

100%

◆ 「保険外併用療養費制度」の柔軟な活用・拡大について
保険外併用療養費の対象となれば、保険診療との併用が可能。例えば、
差額ベッド代は全額自己負担でも、それ以外の入院料などは通常の負担。
評価療養
患者申出療養
選定療養

保険導入のための評価を行うもの(例:先進医療)
患者からの申出に基づき保険導入のための評価を行うもの
保険導入を前提としないもの(例:差額ベッド、歯科の金合金)

技術料等

保険給付

保険給付

3割自己負担

3割自己負担

OTC類似薬

技術料等

全額自己負担

全額自己負担

OTC類似薬

技術料等

案:保険外併用療養費制度の活用

全額自己負担

保険外
併用療養費

 保険外併用療養費制度を活用し、
例えば「新たな選定療養」と位置付け
れば、OTC類似薬についてのみ切り出
されて自己負担となる。

【スウェーデンの例】 ~薬剤費の一定額までの全額患者負担~
年間の薬剤費

患者負担額

1,150クローネまで

全額患者負担

1,150クローネから5,645クローネまで

1,150クローネ+超えた額の一定割合

5,645クローネ超
(注)1クローネ=14円(2024年4月中において適用される裁定外国為替相場)

2,300クローネ

現状

OTC類似薬

3割自己負担

 現状では、技術料も薬剤も内容にかか
わらず一定割合の負担
 薬局等でOTC薬が販売されているにも
関わらず、保険料財源により、OTC類
似薬がファイナンスされる。

案:単純な「保険適用除外」
 OTC類似薬について、単に保険給付から
外す場合には、 「混合診療の原則禁
止」の下で、技術料や他の薬剤も含めて
全額が自己負担となる。

【改革の方向性】(案)
○ セルフケア・セルフメディケーションの推進、リスクに応じた自己負担、必要な医療へのアクセスの確保といった観点を踏まえ、OTC類
似薬に係る保険給付の在り方の見直しを具体的に進めていくべき。

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