資料 持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ) (54 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20250423zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》 |
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○ 日本では、費用対効果評価を経ることなく、薬事承認された医薬品は、原則として全て、迅速に公的保険の対象となる(=「薬価収
載」される)。これは諸外国には見られない我が国の医療保険制度の大きな特徴。また、日本の医療現場では、高額療養費制度の
下、一般に高額医療に対するコスト意識が働き辛い構造となっており、医師の判断に基づき自由に診療・薬剤処方が行われている。
○ 日本の医薬品市場は、ドラッグラグ・ドラッグロスの課題が指摘される一方で、承認された新薬の製品数は米国と遜色なく、むしろカント
リードラッグ(日本でしか流通していない新薬)が多いとの指摘もある。また、例えば、効果を維持しつつ減薬・休薬を含む医薬品の適
正使用を行うことは副作用の軽減にもつながるものであり、こうした患者本位の治療の確立に向けて一層の努力が必要との指摘もある。
○ 現役世代の保険料負担軽減を含め、国民皆保険制度の持続可能性を確保するとともに、創薬イノベーションの推進を図っていく観点
から、諸外国の例も踏まえ、費用対効果などの経済性や患者利益を考慮した保険診療が効率的に行わる仕組みを構築すべき。
経済性が勘案されない医療の構造
薬事承認
(有効性・安全性)
薬価収載
(=公的医療保険で
使用可能となる)
一部の医薬品については費用対
効果評価による価格調整
これまでに取り組んできた主な事項
○ 最適使用推進ガイドラインの導入(2017年~)
薬事承認と公的保険適用
とが一体的に運用される
保険収載の段階で経済性
が勘案されない
費用対効果評価は保険収載の
可否判断には用いられず、薬価
の部分的な調整にとどまる
(医薬品市場への影響)
• 承認される新薬品目数は米国と比べ遜色ない
• ドラッグラグ・ドラッグロスの指摘
• カントリードラッグ(日本でしか流通しない新薬)が多いとの指摘
(診療の現場)
• 患者本位の治療の確立に向けた取組の強化が必要との指摘
• 医薬品の適正使用に向けた取組が十分でないとの指摘
○ 費用対効果評価の導入(2019年4月~)
○ 地域フォーミュラリの活用を慫慂(2023年7月~)
今後の主な改革の方向性
○ 費用対効果評価の一層の活用に向けた検討
• 対象医薬品や価格調整範囲の拡大、検討体制の強化
• 保険償還の可否の判断への利用
○ 地域フォーミュラリの普及・促進
○ 医薬品の適正使用に関するガイドラインを導入し、経済性の
観点も考慮した患者本位の診療を推進
○ 減薬・休薬を含む治療の最適化に向けた調査・研究の推進
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