資料 持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ) (39 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20250423zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》 |
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○ 2025年4月、かかりつけ医機能報告制度がスタートし、地域の患者は、今後、かかりつけ医機能を有する医療機関を選択して利用することが
可能となる。それぞれの地域で、住民の医療ニーズの動向を的確に捉え、医療機関相互間の役割分担・連携が進められる中で、地域住民に
身近な立場で全人的なケアを総合的かつ継続的に行う医療機関が選択されることが重要。
○ 2026年度診療報酬改定は、こうした全人的なケアを重点的に評価する報酬体系とする契機とすべきであり、これまで先行して進められてきた
「かかりつけ医機能の報酬上での評価」について改めて精査・整理の上で、抜本的な見直しを図るべき。特に外来診療に関し、初診・再診料に
係る各種加算や「日常的な健康管理」を評価する各報酬項目を含め、地域の患者を「治し、支える」役割を的確に評価する報酬体系とすべき。
◆見直しを検討すべき主な報酬項目
地域包括診療料・加算/認知症地域包括診療料・加算
複数の慢性疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症、認知症、慢性心不全又は慢性腎臓病の6
つのうち2つ以上) を有する患者に対し、継続的かつ全人的な医療を行うことについて
の評価。(「診療料」は月1回の包括点数。「加算」は診療所のみ算定でき、出来高。)
かかりつけ医機能を評価するため創設された基幹的・代表的な報酬項目であるにもか
かわらず、必要な体制整備が困難との理由で、算定実績は低調。
地域での医療・介護ニーズを総合的に受け止め、認知症を含
めた複数の慢性疾患を有する患者に対する全人的なケアを
評価するにふさわしい報酬となっているか、前向きにかかりつけ
医機能の発揮を志向できる的確なインセンティブ機能を果たし
ているかを検証の上で見直す必要。例えば、両者を統合した
上で、個々の医療機関の担うかかりつけ医機能をよりきめ細か
に評価できる報酬体系に再構築すべきではないか。
外来管理加算
外来管理加算(52点)は、「計画的な医学管理」を評価し、再診料に加算。
検査・処置・リハビリ・精神科精神療法・手術等の実施を行わないことや、丁寧な問
診や詳細な身体診察などが要件。
例えば、再診料に包括化する等した上で、その果たしてきた役
割・機能については、他のかかりつけ医機能を評価する管理
料・加算との間で整理・統合すべきではないか。
機能強化加算
機能強化加算(80点)は、初診への加算。初診患者の中でも特に継続的な管
理が必要な疾患を有する患者に対し、専門医療機関への受診の要否の判断を含め
的確で質の高い診療機能を発揮することを評価するもの。
「体制への評価」であるため、施設基準さえ満たせば、患者実態によらず、また、当該
医療機関をかかりつけ医としない患者に対しても、一律に算定。
「初診時におけるかかりつけ医機能の発揮」を的確に評価する
形となっているかどうかを改めて検証した上で、その廃止を含め
抜本的な見直しを図るべきではないか。
【改革の方向性】(案)
○ 外来診療の機能分化・連携を更に進め、地域において、全人的なケアを提供する医療機関が適切に評価されるよう、各種の基
本料や加算を今一度よく精査・整理した上で、診療側の提供体制や経営上の都合ではなく、真に患者本位の治療を実現できる
報酬体系へと再構築すべき。
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