令和8年度予算の編成等に関する建議 参考資料3 (146 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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グローバルサウス支援の課題
○ 「グローバルサウス未来志向型共創等事業」は、商用に向けたスケール化を目指す実証事業を対象とし、そうした実証事業を伴わな
いような研究開発支援・設備投資支援ではないとされているが、採択された事例の中には、既に大企業自身の資金と採算見通しの下
で海外展開を行っている企業の従来事業の拡大の域を出ないような、当該補助金による支援の必要性が不明瞭な事例も見られ
る。
○ 企業の海外展開は従来、経済的な裨益を求める民間企業の自律的な取組によって行われてきており、そうした中で、真に必要な範
囲での支援とするためには、海外展開へのハードルがより高い中小企業やスタートアップの取組を後押しするものであるべき。一方で、
補助額の高い大規模実証については、企業自らの投資による事業展開も見込まれる大企業も含めて活用されており、真に必要な
範囲での支援となっているか、対象範囲の妥当性や政策効果について検証を行う必要。
◆事例1:操業中の工場の事業拡大
◆事例3:大企業による活用
フィリピンにて、最先端の半導体薄型パッケージ用高生産性ラインを構
築し、増産とコストダウンを実現するための実証。
約35年前より操業し、従業員約20,000人規模の工場における新棟
(14号棟)の建設に合わせ、新棟内で行われる実証事業であり、総投
資額約200億円のうち、約40億円は当該補助金を活用している。
補助額の高い大規模実証においては、大企業の実施する事業が採択
されるケースが多い。国内外で一定の事業実績のある企業であれば、企
業自らの投資による事業展開も選択肢にあった可能性もあるのではない
か。
R5補正分
R6補正分
中小企業
中小企業
22%(5件)
20%(1件)
◆事例2:グローバル企業の生産拠点拡大
シンガポールにて、半導体用フォトマスクの自動化ラインを構築し、増産
対応とコストダウンを実現するための実証。
当該企業は、アジア・米国・欧州各国で計9か所の製造拠点を有して
おり、シンガポールでは製造工程の一部のみ対応していたところ、新工場
を設立予定。実証事業の事業費92.7億円のうち、40億円は当該補助
金を活用している。
中小企業以外
78%(18件)
中小企業以外
80%(4件)
(出所)JETRO、採択事業者HP等の公表資料に基づき財務省作成。
(注1)実際に政策効果等を検証するためには、個々の事業の内容を詳細に確認する必要がある点に留意が必要。
(注2)本資料は、当該補助金の支援対象が、期待する政策効果を引き出すのに相応しい範囲となっているかの検証の必要性を指摘するために作成したものであり、企業が海外展開を行う際に、利用可能な
補助金を活用した判断を否定するものではない。