令和8年度予算の編成等に関する建議 参考資料3 (144 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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資料Ⅱ-8-11
○ 収益性や不確実性等の観点から、民間では供給困難な分野・事業には補助金の活用もあり得るが、交付後のガバナンスが機能し
にくい上、金銭的リターンもない「渡し切り」となる。長期的にリターンが期待できる分野については、ガバナンスや財政的影響の面で
優れる金融支援の活用を拡大すべき。
○ 特定産業を対象とした支援や特定の投資を促す支援については、収益性が見込まれる分野であるかどうかを含め、補助金で支援す
ることが適当であるか真に検討する必要があるのではないか。
【公共部門の支援手法間の比較】
政府機関による出融資(例:産業投資)
補助金
- 政策的必要性が高くリターンが長期的に期待できるものの、リス
クが高く民間だけでは十分に資金が供給されない分野へのエクイ
ティ・ファイナンス
- 収益性が見込めない分野やリスクが極めて高い分野に対し、
特定の政策目的を達成するため恩恵的に交付する(特別の反
対給付を求めない)給付金
ガバナンス
○ 出資者の立場からガバナンス機能を発揮
○ 債務者や事業者が最終的にコストを負担するため、事業が効
率的に実施されることが期待できる
● 交付後のガバナンスは機能しにくい
● 債務者や事業者が最終的にコストを負担しないため、事業が
効率的に実施されるインセンティブが低下する
財政的影響
○ 利払・償還や配当という形で資金回収が可能
○ 租税負担を回避し、受益者負担を実現
● 金銭的リターンはない「渡し切り」
● 財源は租税や国民負担である国債等で賄われる
設備投資を予定していない理由
先行きが見通せない
現状で設備は適正水準である
投資に見合う収益を確保できない
借り入れ負担が大きい
手持ち現金が少ない
設備投資にかかるコストの上昇
自社に合う設備が見つからない
人件費の高騰による利益率の低下
既に投資を実施した
金利引き上げの影響
○ 大企業製造業への政府支援は、企業のグローバル市場でのシェアを拡大させ
ることには寄与しているが、投資や生産性には効果が無い、または負の影響を与
えている。
○ このことは、市場シェアの拡大が効率性の向上ではなく、政府支援による製品
価格の引下げ等により引き起こされている可能性を示唆している。
○ 政府支援のうち、税制優遇は投資や生産性等を向上させる結果となるものも
一部あったが、補助金についてはほとんど有意な結果がなかった。
企業が設備投資を予定しな
い主な理由は先行きの不確
実性や現状維持からであり、
金融支援等、企業が適切
なリスクテイクを行えるような
支援の検討が必要
0
20
(出所)帝国データバンク『2025年度の設備投資に関する企業の意識調査』
40
(出所)OECD「The Market Implications of Industrial Subsidies」(2025年6月)
60
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