日医総研ワーキングペーパー ICT を利用した全国地域医療情報 連携ネットワークの概況(2024 年度版) (178 ページ)
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出典情報 | ICT を利用した全国地域医療情報 連携ネットワークの概況(2024年度版)(9/30)《日本医師会総合政策研究機構》 |
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対応は避けるべきである
標準型電子カルテを知っているかどうかについて 8 割を超える地域で認知されていた(図
3.3-1)。全国医療情報プラットフォームと標準型電子カルテは HL7 FHIR 規格で医療情報が
交換されることを 150 箇所(69.8%)の地域で認知されていたが、HL7 FHIR への対応を実施
している、または予定している地域は 18 箇所(8.4%)と少なかった(図 3.3-2、3.3-3)。
地連 NW に参加している無床診療所が標準型電子カルテを導入した際にネットワーク改善
等を予定している地域は 2 箇所(0.9%)、地連 NW と標準型電子カルテの連携を予定している
地域は 3 箇所(1.4%)と極めて少ない状況であった(図表 3.3-4、3.3-6)。地連 NW 運営側で
標準型電子カルテの導入医療機関があるか否かについては 179 箇所(84.8%)の地域で把握
しておらず、導入を予定しているのは 2 箇所(0.9%)のみであった(図表 3.3-5)。
2026 年度以降の本格実施を目指して国主導でクラウドベース(SaaS 型)による標準型電子
カルテが進められているが、認知度は高い一方で現場での対応は追いついていない。スケジ
ュール優先の拙速な対応は、医療現場の混乱を招きかねないため避けるべきである。
〇財務諸表は 6 割以上の地域で作成されておらず、運営主体が病院、対象範囲が市区
町村単位の連携で作成されていない割合が高かった
地連 NW の財務諸表(賃借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等)を作
成している地域は 31 箇所(14.4%)にとどまり、131 箇所(60.6%)の地域で作成され
ていなかった(図 3.6-1)
。
運営主体別にみると「病院」で作成されていない割合が高く、「NPO」では作成され
ている割合が高かった。対象範囲別では対象範囲の狭い「市区町村単位」で作成され
ていない割合が高かった。
〇多職種連携のコミュニケーションツール機能の使用割合は漸増傾向にある
多職種連携システムで利用している機能は、
「コミュニケーションツール」がもっと
も多く、2014 年度の使用割合は 62.8%であったが、その後は漸増傾向となっており、
今回の調査では 87.6%の地域で使用されていた(図 5.5-2)
。
コミュニケーションツールは、施設内のスタッフや他施設・多職種間との連携、患
者や家族との連携など様々なケースで使用され、簡単にリアルタイムで動画や音声、
ファイル等も共有できる非常に便利なツールである。一方、民間が提供しているツー
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