日医総研ワーキングペーパー ICT を利用した全国地域医療情報 連携ネットワークの概況(2024 年度版) (176 ページ)
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出典情報 | ICT を利用した全国地域医療情報 連携ネットワークの概況(2024年度版)(9/30)《日本医師会総合政策研究機構》 |
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。
公的保険に関するデータの網羅性に優れる「全国医療情報プラットフォーム」と電
子カルテ情報、各種画像データ、クリティカルパス、医療介護連携など多種多様な連
携機能を持つ「地連 NW」とは異なるものである。
全国医療情報プラットフォーム構築のために電子カルテ情報共有サービスで 3 文書 6
情報を全国で共有することが予定されているが、各地で既に運用されている地連 NW
とは役割が異なる。今後はこれらの 2 つを併用し、互いに補完していくことが地域住
民にとってもっとも役立つと考えられる。
〇診療録(カルテ)および看護記録は開示していない医療機関の方が多く、その他レ
ポートは開示している医療機関の方が多かった
診療録(カルテ)および看護記録では、開示していない医療機関の方が多かったが、
その他レポート(画像・検査・手術・リハビリの記録等)は、開示している医療機関
の方が多かった(図 2.26-5)。診療録(カルテ)を開示していない理由は、医療機関内
での同意を得られないが 43 箇所(49.4%)
、利用しているシステムに開示機能がない 36
箇所(41.4%)が多かった(図 2.26-2)。開示するデータ範囲を変更する際の費用負担
は、電子カルテベンダーや地連 NW ベンダーから費用請求がある地域が 104 箇
所(56.5%)あり、費用負担も大きな原因になっていることが考えられる(図 2.26-6)。
〇サイバー攻撃への予防対策は半数以上、インシデント発生後の対策は 36%の地域で
実施されていたが地域の対策だけでは限界がある
サイバー攻撃への予防対策の実施は前回より 1.1 ポイント増加(55.3→56.4%)し、
半数以上の地域で実施されていたが(図 2.30-1)、実際に何かしらのインシデントが発
生した際の対策ができている地域は 81 箇所(36.0%)にとどまった(図 2.30-3)
。
警察庁サイバー警察局からの報告によると、令和 6 年におけるランサムウェアの被
害報告件数は 222 件であり、引き続き高水準で推移している。侵入経路とされる機器
には 47.1%の団体・企業等で最新のセキュリティパッチが適用されていた。また、被
害を受けた 95.3%の団体・企業等はウイルス対策ソフト等を導入していたにもかかわ
らず、検出できたのは 26.6%と極めて少ない状況であった。また、バックアップデー
タについては 89.7%の団体・企業等で取得してあったにもかかわらず、実際に復元が
できたのは 26.4%となっており、こちらも極めて厳しい結果であった。バックアップ
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