資料5-1 Ⅳ-203 モキシフロキサシン塩酸塩[15.1MB] (145 ページ)
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| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00044.html |
| 出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第66回 12/12)《厚生労働省》 |
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月レジメンより好ましいと考えられるが、同ハンドブックでは「治療レジメンの選
択に影響を与える主な要因には、薬剤耐性プロファイル、抗結核薬への過去の曝露、
患者の病歴、濃厚接触者の薬剤耐性プロファイル、患者の年齢と嗜好、妊娠状況、
結核疾患の範囲と局在等が挙げられる」と述べられている。このことから、MDRTB 治療において、6 ヵ月 BPaLM レジメン、9 ヵ月 BLMZ レジメン、9 ヵ月短縮レ
ジメン(7 剤併用)及び 18~20 ヵ月長期レジメンのすべてにおいて MFLX が使用可
能となることが重要と考えられる。
なお、本剤は WHO ガイドライン(2025)において、DS-TB に対し推奨される 4
カ月レジメン(INH+RPT+MFLX+PZA)にも含まれることから、DS-TB に対しても
併用薬次第では有効となることが示唆される。しかしながら、国内において RPT が
未承認であること、また現行の標準治療においても DS-TB の治癒率が高いことを
考慮すると、本剤を国内の DS-TB に対して使用可能とすることの優先度は高くな
いと考える。
MDR-TB 及び XDR-TB の治療が重要な課題となっている現状、及びその治療レ
ジメンの選択は疾患の重症度、薬剤耐性パターン、過去の治療歴、薬剤への不耐症、
毒性、忍容性などに応じて決定されることを考慮すると、安易な投与による MFLX
耐性菌の発現を防止することは今後の結核治療における治療選択肢を減らさない
ために重要と考える。耐性化を抑制するためには、MFLX の投与対象をより具体的
に規定することが重要と考えるため、本剤の使用は多剤耐性結核に限定されるべき
と考える。
また、ガイドラインで引用されている臨床試験及びメタアナリシスの大半は、肺
外結核の患者を除いた集団における有効性及び安全性を評価したものである。
WHO ガイドライン(2025)の"Remark”として、DR-TB に対する BPaLM/BPaL 6 ヵ
月レジメンや、9 ヵ月全経口レジメン(endTB 試験結果に基づく)に関する推奨内
容を、肺外結核に適用できる旨の記載もあるものの、現時点では、肺外結核に対す
る本剤の有効性及び安全性が医学薬学上公知であるとは言い難いことから、本剤の
適応は肺結核とすることが適切と考える。
以上のことから、本剤の効能・効果を「〈適応菌種〉モキシフロキサシンに感性の
結核菌〈適応症〉多剤耐性肺結核」とすることが適切と考える。
(2)用法・用量について
MFLX の MDR-TB 治療における用量として、海外ガイドラインでは、BPaLM レ
ジメンを検討した TB-PRACTECAL 試験、BLMZ レジメンを検討した endTB 試験、
9 ヵ月短縮レジメン(7 剤併用)を検討した観察研究等の成績に基づき、400mg/日
が推奨されている。一方、一部のガイドラインでは状況に応じて高用量(600~
800mg)も使用可能とされており、また、臨床薬理学的な研究の中には、高用量で
のより高い有効性を示唆するものも存在する。しかしながら、国内において本剤の
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