資料5-1 Ⅳ-203 モキシフロキサシン塩酸塩[15.1MB] (132 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00044.html |
| 出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第66回 12/12)《厚生労働省》 |
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STFX、パズフロキサシン (PUFX)、ロメフロキサシン (LFLX)、CPFX の MIC
の測定を行い、gryA の遺伝子変異についても検討した。【方法】全国より収集さ
れた結核菌 77 株を対象とした。各種 FQ の MIC 測定は 7H9Broth を用いた微量
液体希釈法にて行った。薬剤濃度は STFX が 8~0.008μg/ml、他の薬剤は 32~
0.03μg/ml で 2 倍希釈系列を作製した。また対象株の gryA のダイレクトシーケン
スを実施した。【成績】対象 77 株の各薬剤に対する MICrange(μg/ml)と
MIC90(μg/ml)は LVFX で 0.25-16 及び 8、MFLX で 0.06-8 及び 4、STFX で
0.016-4 及び 1、PUFX で 0.25-32 及び 16、LFLX で 1->32 及び 32、CPFX で
0.125->32 及び 8 であった。また gryA の変異を 22 株(28.6%)で認めた。【結論】
各薬剤の MIC90 を比較すると STFX が 1μg/ml で最も低い値を示し、次が MFLX
で 4μg/ml であった。さらに MGIT960 薬剤感受性検査測定用ソフト TBeXiST
(BD)を用いて MGIT による MIC 値の測定を追加し報告する予定である。
7.公知申請の妥当性について
(1)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における有効性の総合評
価について
【多剤耐性肺結核症に対する有効性の総合評価】
1.多剤耐性結核(MDR-TB)治療における MFLX 使用の優先順位と多剤併用によ
る長期レジメン
多剤耐性肺結核(MDR-TB)に対する治療は、厚生労働省の「結核医療の基準(令
和 3 年 10 月 18 日改正、健感発 1018 第 1 号)」及び結核治療ガイドライン(企業文
献 32)では 5 剤を用いた菌陰性化後 18 ヵ月治療が推奨されている。この多剤併用
による長期レジメンは、WHO ガイドライン(2025)
(企業文献 2)、ATS/CDC/ERS/DSA
ガイドライン(2019)(要望書文献 2)等で推奨され、Harrison’s Principle of Internal
Medicine(2025)(企業文献 27)、Goldman Cecil Medicine(2024)(企業文献 26)等
でも記載される長期レジメンに該当し、可能な限りグループ A(FQ、BDQ、LZD)
のすべてと、グループ B〔CFZ、CS(又はテリジドン)〕の 1 剤で構成され、使用で
きない薬剤がある場合は、グループ B、グループ C(EB、DLM、PZA、イミペネム
-シラスタチン(メロペネム)、AMK(又は SM)、TH 又はプロチオナミド、PAS)
の優先順位で薬剤が選択され、推奨又は標準的治療薬とされる FQ は LVFX 又は
MFLX とされている。
WHO ガイドライン(2025)では、LVFX 及び MFLX が長期レジメンに使用され
る薬剤の中でも、「治療不成功又は再発」/「治療成功」及び「死亡」/「治療成功」
の相対リスク、及び SAE の発現頻度の低さの観点で優れていることが示されてい
る(企業文献 2)。同ガイドラインで引用された 18(~20)ヵ月長期レジメンに使用
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