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【資料1-2】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案)の概要 (79 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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肝炎等克服緊急対策研究事業

具体的な研究内容等

肝炎研究推進戦略に基づき実施する。肝炎に関する基礎、臨床及び疫学研究等を総合的に推進する。肝炎ウイルスに対する既存の治療法や研究成果をブラッシュアップもしくは治療実績の向上
を目指す。肝硬変や肝がん等の診断、予防、治療に係る研究を促進する。B型肝炎は既存治療、診断、予防や肝硬変の治療に係る研究を促進する。
(HBV:B型肝炎ウイルス HCV:C型肝炎ウイルス)

R6年度までの研究成果
・ HBV感染患者のHBs抗原の減少・消失を目的とした新規ハイブリッド型抗原HBs-Lh抗原ワクチン
開発が進められ、高いHBs抗体誘導能と誘導された抗体の中和活性が確認された。
・ HBVが持続感染し、慢性B型肝炎による免疫動態を観察できるマウスモデルの作成に成功した。持
続感染している状態における免疫細胞の疲弊状態をで再現させることができ、新規Toll様受容体7
作動薬SA-5が免疫賦活により、抗ウイルス効果を発揮することが示された。
・ 脂肪肝では肝臓が硬いと肝がんが発生するが、肝臓があまり硬くなくても一定頻度で肝がんが発生
する。血液中に分泌される成長因子の一つ、GDF15は、肝臓の硬さと独立した肝がん発生のリスク
因子であることを明らかにした。

目 的:

・ 脂肪肝では線維化が進展していない状態においても肝がんを発症するケースが報告されている。人工知能
(AI)が肝臓の微細な構造を認識することで、これまで注目されていなかった肝がん発症に関連する病
理学的特徴が同定され、脂肪肝病理画像から発がんを予測するAIモデルを使用することで発がんの高リ
スク群を特定できることを示した。
・ HCV感染は、1000以上の遺伝子の発現のリズムを変化させることによってトランスクリプトームを攪乱し、エ
ピゲノムに影響を与え、代謝の変化、線維化、がんを媒介する重要な経路の活性化につながることをヒト
肝細胞実験で示した。
・ 肝がんの分類を精緻化するために臨床検体のバルクデータとシングルセルデータを統合解析した結果、高
悪性度肝がんではp53/MYC異常が発症に関与し、T細胞浸潤が低下していることを示した。

肝炎の予防、診断、治療に係る技術の向上、肝炎医療に必要な医薬品・医療機器の開発

❶ B型肝炎
・ HBV感染複製機構の解明
・ HBVによる特異的免疫反応の解明
・ ウイルス、宿主ゲノム解析の活用
・ 核酸アナログ製剤長期投与による
副作用、ウイルス耐性対策
・ 薬剤耐性ウイルスによる肝炎悪化へ
の対策


❷ C型肝炎
・ 病態推移モデルの作製
・ ウイルス排除後の病態解析
・ 新規の治療ターゲットの探索
・ C型肝炎ワクチンの開発
・ インターフェロンフリー治療不成功後
のウイルスの薬剤耐性
・ ウイルス排除後の肝発がん、長期
予後


❸ 肝硬変
・ 肝線維化機序の解明
・ 線維化評価法の確立
・ 線維化を改善させる根本的な治療
薬・治療法の開発
・ 肝硬変の合併症を含めた病態の把握
・ QOL及び予後改善に資する治療法の
開発

❹ 肝がん
・ 肝発がん機序の解明
・ ウイルス制御後の肝発がん機
序の解明
・ 肝発がんリスクの評価
・ 肝発がん、再発機序の解明
・ 再発予防による長期予後、
QOLの改善





❺ その他
・ 代謝機能障害関連脂肪性肝疾
患の実態、発症機序、病態解明
や治療法の開発、肝発がん機序の
解明
・ A型肝炎の重症化機序の解明
・ E型肝炎慢性化機序の解明
・ 肝疾患における肝臓-他臓器連関
の作用機序解明


新規研究内容
肝炎ウイルスの生活環
と病原性の機序解明
に関する基礎的研究

肝炎からの肝発がん機
序解明による、革新的
な診断法と治療法の
開発研究

革新的な肝炎免疫治
療に関する研究

革新的技術を用いた
抗線維化療法に関す
る研究

C 型 肝 炎 SVR 後 の 肝
線維化、肝発がんを
含む病態変化の解明
と病態進行予防に関
する研究

C型肝炎関連疾患の
DAA治療後のアウトカ
ムに関する研究

肝疾患領域における
新たな知見の創出や
新規技術の開発に関
する研究

肝炎医療の水準の向上に資する新たな知見の創出や新規技術の開発に関する研究

令和8年度までに期待されるアウトプット、アウトカム
アウトプット

研究成果のインパクトファクター5以上の科学誌への論文掲載
新たな疾患発症メカニズム解明件数
新たな疾患関連遺伝子・薬剤関連遺伝子の同定数

50件
1件
1件

アウトカム

臨床的に実用可能なバイオマーカー等の開発件数
シーズの他の統合プロジェクトや企業等への導出件数

2件
1件

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