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【資料1-2】令和8年度研究事業実施方針(AMED研究)(案)の概要 (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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具体的な研究内容等

プロジェクト④(ゲノム・データ基盤)

胆道がんに対する治療法の確立に関する研究(H27~R3)
国立研究開発法人国立がん研究センター 小西 大

S-1補助療法が胆道がん根治手術後の標準治療となることを証明―The Lancetに論文発表-

研究内容
根治切除後胆道癌に対する術後補助療法は、いまだエビデンス
をもって有効とされる治療法が確立していない。術後補助療法としてのS-1療法の第
III相試験(JCOG1202)は、根治切除例を対象として、術後S-1療法の手術単独療法に
対する優位性の検証を行うことを目的として実施した。結果から、S-1補助療法が胆
道がん根治手術後の標準治療となる。日本だけでなく海外のガイドラインでも標準治
療に書き換えられ、胆道がん患者さんにさらに有効な治療が提供されることが期待さ
れる。

非浸潤または小型非小細胞肺がんに対する機能温存手術の確立に関する研
究(H27~R6)
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 渡辺俊一

JCOG0802
JCOG0804

JCOG1211

研究内容
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)で実施された3つの臨床試験
の結果により、臨床病期1A1-2期非小細胞肺癌に対する縮小手術の有効性が示さ
れ、充実成分最大径/腫瘍最大径比の数値によって、異なる手術手法が推奨される
ことが明らかとなった。これまで、I期肺癌に対する手術は、肺葉切除が標準治療で
あったが、縮小手術の実施により患者負担が軽減し、Quality of Life(QOL)の向上
に繋がる。これらの成果は、肺がん診療ガイドライン2024年版(外科治療CQ3.)に掲
載された。
図:縮小手術(肺楔状切除・肺区域切除)の有効性が示された

小児急性リンパ性白血病に対する標準的治療法の確立(R2~R4)
国立大学法人北海道大学 真部淳

研究内容

小児と24歳までのAYA世代のT細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)
患者を対象に小児型治療の臨床試験(ALL-T11)がH23年より開始され、国内の小児
科と血液内科125施設が参加し全国的な治療の均てん化を果たした。R3年に追跡終
了、R4年にデータ解析を行い、きわめて良好な結果が得られた。さらに、頭蓋放射線
照射や同種造血細胞移植治療を受ける患者の割合も減少した。
この成果はR5年米国血液学会ASHで報告、Lancet Haematology に掲載され、R7
年度中旬に小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン改訂に掲載予定である。

図: 結果のポイント
ALL-T11臨床試験では、3年の無イベント生存率が向上し、頭蓋放射線照射と造血
幹細胞移植を受ける患者の割合を半減できた。

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プレスリリース:https://www.huhp.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2023/05/release_20230510.pdf