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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (83 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
1
(8) S. maltophilia
2
(i) 微生物検査に関する留意事項
3
ST 合剤・レボフロキサシンにおいて、ディスク拡散法や E-test、及び頻用されて
4
いる微生物感受性分析装置において再現性に懸念があることが報告されており 141,142、
5
解釈に注意を要す。また、ST 合剤以外の薬剤に関しては薬剤感受性結果と治療アウ
6
トカムの関連を支持するデータが乏しいことにも留意する必要があるエラー! 参照元が見つかり
7
ません。,143
。
8
さらに、S. maltophilia は近年保険適用となった、多項目遺伝子関連検査、特にマ
9
ルチプレックス PCR 法やマイクロアレイ法による血液培養陽性培養液に対する細菌
10
核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出システムにおいて、検出対象となっていない製品も
11
あるため、注意を要する(「Verigene®血液培養グラム陰性菌・薬剤耐性核酸テスト
12
(BC-GN)」、「FilmArray®血液培養パネル」では検出対象外、「BioFire®血液培養パネ
13
ル 2」では検出対象に含まれる)。
14
15
(ii) 薬剤耐性の機序
16
S. maltophilia は内因性に L1・L2 と呼ばれる 2 種類の β-ラクタマーゼを保有する
17
144。L1 はメタロ-β-ラクタマーゼでカルバペネム系を含む幅広い β-ラクタム系抗菌薬
18
(アズトレオナムを除く)を分解することが可能で、一方、L2 は Class A に分類さ
19
れる β-ラクタマーゼで広域スペクトラムのセファロスポリン系抗菌薬及びアズトレ
20
オナムを分解可能である。また、アミノグリコシド系抗菌薬についても内因性に保
21
有する薬剤排泄ポンプ等複数の耐性機構を備えている 144。フルオロキノロン系抗菌
22
薬 に 対 し ても、薬 剤 排泄ポンプの過剰 発 現や変異、薬剤の 作 用点である DNA
23
gyrase・トポイソメラーゼ IV を保護する Smqnr の過剰発現等複数の耐性機構をもつ
24
145,146 治療の第一選択とされるスルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST 合剤)
25
に対しても、薬剤排泄ポンプの過剰発現やプラスミドを介した class I integron によ
26
る sul・dfrA の獲得により耐性化することが知られている 147,148。
27
薬剤感受性について、近年報告された日本での多施設研究では(78 株)、レボフロ
28
キサシン・ミノサイクリン・ST 合剤に対する感性率はそれぞれ、65%・87%・
29
100%で あ っ た エ ラ ー! 参 照 元 が 見 つ か り ま せ ん 。。 ま た 、2013~2023 年 に 分 離 さ れ た S.
30
maltophilia146 株を対象とした単施設検討では、レボフロキサシン・ミノサイクリ
31
ン・ST 合剤・セフィデロコルに対する感性率はそれぞれ、78%・100%・94.5%・
32
99.3%であったエラー! 参照元が見つかりません。。ただし、ミノサイクリンに対する感性はいずれ
33
も MIC ≤ 4 μg/mL を基準に判定されている。
34
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薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
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(8) S. maltophilia
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(i) 微生物検査に関する留意事項
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ST 合剤・レボフロキサシンにおいて、ディスク拡散法や E-test、及び頻用されて
4
いる微生物感受性分析装置において再現性に懸念があることが報告されており 141,142、
5
解釈に注意を要す。また、ST 合剤以外の薬剤に関しては薬剤感受性結果と治療アウ
6
トカムの関連を支持するデータが乏しいことにも留意する必要があるエラー! 参照元が見つかり
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ません。,143
。
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さらに、S. maltophilia は近年保険適用となった、多項目遺伝子関連検査、特にマ
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ルチプレックス PCR 法やマイクロアレイ法による血液培養陽性培養液に対する細菌
10
核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出システムにおいて、検出対象となっていない製品も
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あるため、注意を要する(「Verigene®血液培養グラム陰性菌・薬剤耐性核酸テスト
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(BC-GN)」、「FilmArray®血液培養パネル」では検出対象外、「BioFire®血液培養パネ
13
ル 2」では検出対象に含まれる)。
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(ii) 薬剤耐性の機序
16
S. maltophilia は内因性に L1・L2 と呼ばれる 2 種類の β-ラクタマーゼを保有する
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144。L1 はメタロ-β-ラクタマーゼでカルバペネム系を含む幅広い β-ラクタム系抗菌薬
18
(アズトレオナムを除く)を分解することが可能で、一方、L2 は Class A に分類さ
19
れる β-ラクタマーゼで広域スペクトラムのセファロスポリン系抗菌薬及びアズトレ
20
オナムを分解可能である。また、アミノグリコシド系抗菌薬についても内因性に保
21
有する薬剤排泄ポンプ等複数の耐性機構を備えている 144。フルオロキノロン系抗菌
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薬 に 対 し ても、薬 剤 排泄ポンプの過剰 発 現や変異、薬剤の 作 用点である DNA
23
gyrase・トポイソメラーゼ IV を保護する Smqnr の過剰発現等複数の耐性機構をもつ
24
145,146 治療の第一選択とされるスルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST 合剤)
25
に対しても、薬剤排泄ポンプの過剰発現やプラスミドを介した class I integron によ
26
る sul・dfrA の獲得により耐性化することが知られている 147,148。
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薬剤感受性について、近年報告された日本での多施設研究では(78 株)、レボフロ
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キサシン・ミノサイクリン・ST 合剤に対する感性率はそれぞれ、65%・87%・
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100%で あ っ た エ ラ ー! 参 照 元 が 見 つ か り ま せ ん 。。 ま た 、2013~2023 年 に 分 離 さ れ た S.
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maltophilia146 株を対象とした単施設検討では、レボフロキサシン・ミノサイクリ
31
ン・ST 合剤・セフィデロコルに対する感性率はそれぞれ、78%・100%・94.5%・
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99.3%であったエラー! 参照元が見つかりません。。ただし、ミノサイクリンに対する感性はいずれ
33
も MIC ≤ 4 μg/mL を基準に判定されている。
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