よむ、つかう、まなぶ。
【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (37 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
抗微生物薬適正使用の手引き
1
2
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
うることが知られている 200。諸外国では市中感染の CDI が問題となっているがエラー!
、国内における市中感染 CDI の疫学は不明である 202。
参照元が見つかりません。
3
抗菌薬曝露以外の発症リスクとして、年齢、入院歴と長い入院期間、抗がん剤治
4
療歴、消化管手術歴、経腸栄養使用(特に幽門後方栄養)、胃酸抑制薬(プロトンポ
5
ンプ阻害薬[proton pump inhibitor:PPI]、H2 受容体拮抗薬を含む)の使用、炎症性
6
腸疾患、固形臓器移植等が報告されており、入院中の患者ではいずれも頻度の高い
7
リスク因子であるエラー! 参照元が見つかりません。,204。
8
CDI は再発することが特徴的な感染症である。再発性 CDI は、CDI 発症後 8 週間
9
以内に CDI を再度発症したものと定義されている 202,205,206。適切な治療後でも 30%
10
程度が再発することが報告されており、初感染後の再発は 10~20%、再発例の再発
11
(再々発)は 40~65%に及ぶ 207-210。国内ガイドラインでは、再発のリスク因子に
12
は以下のようなものが挙げられている 202:高齢(65 歳以上)、抗菌薬の使用、重篤
13
な基礎疾患の存在、CDI の既往、PPI の使用、医療関連 CDI(発症前 3 か月以内の入
14
院歴)。
15
16
微生物学的診断
17
24 時間以内に 3 回以上の下痢(Bristol Stool Scale で 5 以上:半固形のやわらかい
18
便、不定形の泥状便、固形物を含まない液体状の便)を認める時や平常時よりも多
19
い 便 回 数 の 時 に CDI を 想 起 す る 必 要 が あ る 211。 な お 、 国 内 ガ イ ド ラ イ ン
20
(Clostridioides difficile 感染症診療ガイドライン 2022)では排便が自立していない高
21
齢者等では回数に固執する必要はないと推奨している 202。院内で新規の下痢を見た
22
時には、まずは検査を考慮する。頻度は低いが、下痢を認めずイレウスや中毒性巨
23
大結腸症を来すことがあるため、入院中で上記を認めた時には CDI を想起すべきで
24
ある。
25
トキシンと GDH 抗原を同時に検出するキット、核酸増幅検査(Nucleic Acid
26
Amplification Test:NAAT)又は便培養が国内では利用可能である。GDH(グルタミ
27
ン酸脱水素酵素)抗原陽性は C. difficile の存在を示唆する。施設によって利用可能な
28
ものが異なるが、トキシンと GDH を同時検出できるキットをベースにトキシン陰
29
性・GDH 陽性の時には NAAT 又は便培養を行うアルゴリズムが提唱されている
30
(CDI 診断のフローを参照)202,205。GDH 抗原が陽性で NAAT が陰性の場合、CDI の
31
可能性は低く、別の原因を検索する。一方、NAAT が陽性であるがトキシンが陰性で
32
ある場合、(1)CDI だがトキシン産生が少ない、(2)トキシン検査の偽陰性、(3)
33
毒素産生 CD 株の保菌、の 3 パターンが考えられる。無症候でも NAAT が陽性となる
34
場合が多くみられ、過剰な治療につながっていることも指摘されている 212。そのた
35
め、下痢、イレウスや中毒性巨大結腸症等の CDI を疑う症候を伴わない患者には検
37
1
2
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
うることが知られている 200。諸外国では市中感染の CDI が問題となっているがエラー!
、国内における市中感染 CDI の疫学は不明である 202。
参照元が見つかりません。
3
抗菌薬曝露以外の発症リスクとして、年齢、入院歴と長い入院期間、抗がん剤治
4
療歴、消化管手術歴、経腸栄養使用(特に幽門後方栄養)、胃酸抑制薬(プロトンポ
5
ンプ阻害薬[proton pump inhibitor:PPI]、H2 受容体拮抗薬を含む)の使用、炎症性
6
腸疾患、固形臓器移植等が報告されており、入院中の患者ではいずれも頻度の高い
7
リスク因子であるエラー! 参照元が見つかりません。,204。
8
CDI は再発することが特徴的な感染症である。再発性 CDI は、CDI 発症後 8 週間
9
以内に CDI を再度発症したものと定義されている 202,205,206。適切な治療後でも 30%
10
程度が再発することが報告されており、初感染後の再発は 10~20%、再発例の再発
11
(再々発)は 40~65%に及ぶ 207-210。国内ガイドラインでは、再発のリスク因子に
12
は以下のようなものが挙げられている 202:高齢(65 歳以上)、抗菌薬の使用、重篤
13
な基礎疾患の存在、CDI の既往、PPI の使用、医療関連 CDI(発症前 3 か月以内の入
14
院歴)。
15
16
微生物学的診断
17
24 時間以内に 3 回以上の下痢(Bristol Stool Scale で 5 以上:半固形のやわらかい
18
便、不定形の泥状便、固形物を含まない液体状の便)を認める時や平常時よりも多
19
い 便 回 数 の 時 に CDI を 想 起 す る 必 要 が あ る 211。 な お 、 国 内 ガ イ ド ラ イ ン
20
(Clostridioides difficile 感染症診療ガイドライン 2022)では排便が自立していない高
21
齢者等では回数に固執する必要はないと推奨している 202。院内で新規の下痢を見た
22
時には、まずは検査を考慮する。頻度は低いが、下痢を認めずイレウスや中毒性巨
23
大結腸症を来すことがあるため、入院中で上記を認めた時には CDI を想起すべきで
24
ある。
25
トキシンと GDH 抗原を同時に検出するキット、核酸増幅検査(Nucleic Acid
26
Amplification Test:NAAT)又は便培養が国内では利用可能である。GDH(グルタミ
27
ン酸脱水素酵素)抗原陽性は C. difficile の存在を示唆する。施設によって利用可能な
28
ものが異なるが、トキシンと GDH を同時検出できるキットをベースにトキシン陰
29
性・GDH 陽性の時には NAAT 又は便培養を行うアルゴリズムが提唱されている
30
(CDI 診断のフローを参照)202,205。GDH 抗原が陽性で NAAT が陰性の場合、CDI の
31
可能性は低く、別の原因を検索する。一方、NAAT が陽性であるがトキシンが陰性で
32
ある場合、(1)CDI だがトキシン産生が少ない、(2)トキシン検査の偽陰性、(3)
33
毒素産生 CD 株の保菌、の 3 パターンが考えられる。無症候でも NAAT が陽性となる
34
場合が多くみられ、過剰な治療につながっていることも指摘されている 212。そのた
35
め、下痢、イレウスや中毒性巨大結腸症等の CDI を疑う症候を伴わない患者には検
37