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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (74 ページ)
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| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
1
(6) 緑膿菌
2
(i) 感染症法の定義する薬剤耐性緑膿菌と世界標準での MDRP との違い
3
感染症法の定義する薬剤耐性緑膿菌の耐性と判定される MIC のカットオフは、
4
CLSI の定める判定基準に照らし合わせると、2011 年まで利用されていた基準が採用
5
されており、現行の基準 66 とは異なっている。
6
7
8
(ii) 緑膿菌の β-ラクタム系抗菌薬への耐性機序と日本での疫学
緑膿菌がカルバペネム耐性を示す場合には、①カルバペネマーゼの獲得及び産生、
9
②外膜蛋白 OprD の欠損/変異による透過性低下、③多剤排出ポンプの過剰産生/変異
10
による細胞質から細胞外への汲み出し、のいずれかの機序が関与する。国内で最も
11
頻度の高いカルバペネマーゼは IMP 型でありエラー! 参照元が見つかりません。、その他、近年で
12
は VIM 型 68 や GES 型 69 も報告されているが、カルバペネム耐性株のうちカルバペ
13
ネマーゼ産生株は 5%未満に過ぎないエラー! 参照元が見つかりません。。
14
15
(iii) 耐性緑膿菌感染症における新規 β-ラクタム系抗菌薬のエビデンス
16
タゾバクタム/セフトロザンに関しては、市販後の耐性緑膿菌感染症を対象として
17
コ リ ス チ ン や ア ミ ノ グ リ コ シ ド 系 を 軸 と し た 既 存 薬 に よ る 最 善 の 治 療 (best
18
available therapy:BAT)群と比較した複数の観察研究(タゾバクタム/セフトロザン
19
群の症例数は 82~100 例程度)では、いずれの研究においてもタゾバクタム/セフト
20
ロザン治療群で臨床的治癒率は上昇し、腎障害の頻度は低下することが示されてい
21
る 70,71。
22
レレバクタム/イミペネム/シラスタチンに関しては、イミペネム非感性のグラム陰
23
性桿菌感染症を対象としてイミペネムとコリスチンの併用療法と比較した第 3 相試
24
験内でのイミペネム非感性緑膿菌感染症のみ(レレバクタム/イミペネム/シラスタチ
25
ン群の症例数は 16 例)でのサブ解析 72 では、臨床的奏功率は 81.3 vs 62.5%と症例
26
数は少なく統計学的な有意差は認めなかったが、数字上はレレバクタム/イミペネム/
27
シラスタチン群で高く、かつ研究全体での腎障害の頻度も低かった。
28
アビバクタム/セフタジジムに関しては、カルバペネム耐性緑膿菌感染症を対象と
29
してポリミキシン B と比較した後方視検討(アビバクタム/セフタジジム群の症例数
30
は 51 例)で、アビバクタム/セフタジジム群で死亡率が低下することが示されている
31
73。
32
セフィデロコルに関しては、重症のカルバペネム耐性グラム陰性桿菌感染症を対
33
象として、BAT と比較した第 3 相試験内でのカルバペネム耐性緑膿菌感染症のみ(セ
34
フィデロコル群の症例数は 12 例)のサブ解析では、全死亡率は 35 vs 17%と数字上
74
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
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(6) 緑膿菌
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(i) 感染症法の定義する薬剤耐性緑膿菌と世界標準での MDRP との違い
3
感染症法の定義する薬剤耐性緑膿菌の耐性と判定される MIC のカットオフは、
4
CLSI の定める判定基準に照らし合わせると、2011 年まで利用されていた基準が採用
5
されており、現行の基準 66 とは異なっている。
6
7
8
(ii) 緑膿菌の β-ラクタム系抗菌薬への耐性機序と日本での疫学
緑膿菌がカルバペネム耐性を示す場合には、①カルバペネマーゼの獲得及び産生、
9
②外膜蛋白 OprD の欠損/変異による透過性低下、③多剤排出ポンプの過剰産生/変異
10
による細胞質から細胞外への汲み出し、のいずれかの機序が関与する。国内で最も
11
頻度の高いカルバペネマーゼは IMP 型でありエラー! 参照元が見つかりません。、その他、近年で
12
は VIM 型 68 や GES 型 69 も報告されているが、カルバペネム耐性株のうちカルバペ
13
ネマーゼ産生株は 5%未満に過ぎないエラー! 参照元が見つかりません。。
14
15
(iii) 耐性緑膿菌感染症における新規 β-ラクタム系抗菌薬のエビデンス
16
タゾバクタム/セフトロザンに関しては、市販後の耐性緑膿菌感染症を対象として
17
コ リ ス チ ン や ア ミ ノ グ リ コ シ ド 系 を 軸 と し た 既 存 薬 に よ る 最 善 の 治 療 (best
18
available therapy:BAT)群と比較した複数の観察研究(タゾバクタム/セフトロザン
19
群の症例数は 82~100 例程度)では、いずれの研究においてもタゾバクタム/セフト
20
ロザン治療群で臨床的治癒率は上昇し、腎障害の頻度は低下することが示されてい
21
る 70,71。
22
レレバクタム/イミペネム/シラスタチンに関しては、イミペネム非感性のグラム陰
23
性桿菌感染症を対象としてイミペネムとコリスチンの併用療法と比較した第 3 相試
24
験内でのイミペネム非感性緑膿菌感染症のみ(レレバクタム/イミペネム/シラスタチ
25
ン群の症例数は 16 例)でのサブ解析 72 では、臨床的奏功率は 81.3 vs 62.5%と症例
26
数は少なく統計学的な有意差は認めなかったが、数字上はレレバクタム/イミペネム/
27
シラスタチン群で高く、かつ研究全体での腎障害の頻度も低かった。
28
アビバクタム/セフタジジムに関しては、カルバペネム耐性緑膿菌感染症を対象と
29
してポリミキシン B と比較した後方視検討(アビバクタム/セフタジジム群の症例数
30
は 51 例)で、アビバクタム/セフタジジム群で死亡率が低下することが示されている
31
73。
32
セフィデロコルに関しては、重症のカルバペネム耐性グラム陰性桿菌感染症を対
33
象として、BAT と比較した第 3 相試験内でのカルバペネム耐性緑膿菌感染症のみ(セ
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フィデロコル群の症例数は 12 例)のサブ解析では、全死亡率は 35 vs 17%と数字上
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