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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

1

第四版

薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編

微生物学的診断

2

アシネトバクター属菌の菌種同定検査として、頻用される生化学的な同定法では

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菌種レベルの分類は困難で、報告された菌種名が必ずしもその菌種とは限らない。

4

近年普及してきた質量分析法(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法-飛行時間

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型質量分析法:MALDI-TOF MS)による菌種同定は高精度で同定が可能であると報

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告されているエラー! 参照元が見つかりません。,エラー! 参照元が見つかりません。。

7

カルバペネム耐性には主に β-ラクタマーゼ、特に Oxacillinase(OXA)が関わり、

8

OXA-23、-40/24、-51、-58 が主要なものである(詳細は付録 p.30-31 参照)エラー! 参照

9

元が見つかりません。-エラー! 参照元が見つかりません。

。カルバペネマーゼの検出においては、腸内細菌

10

目細菌で頻用される mCIM の感度が低く使用が勧められず、CIMTris 等のアシネトバ

11

クター属菌に適した変法が考案されているエラー! 参照元が見つかりません。,エラー! 参照元が見つかりません。。

12
13

治療方針

14

アシネトバクター属菌は院内肺炎、中でも人工呼吸器関連肺炎が主な侵襲性感染

15

症である 131,132。また、CRBSI やフォーカス不明の菌血症の原因となる 148。血液や

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髄液等の無菌検体から検出された場合は治療の適応であるが、呼吸器検体や創部検

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体等の無菌検体以外では定着である可能性が高いため 149、これらの検体から分離さ

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れた場合には、感染症の原因となっているかを評価する 2,エラー! 参照元が見つかりません。。感染

19

か定着かの判断は、症状・バイタルサイン・身体所見の変化、支持療法の需要増大

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(人工呼吸器設定や昇圧剤等)、CRP やプロカルシトニン等のバイオマーカーの推移、

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画像評価の変化等を総合して行うエラー! 参照元が見つかりません。。人工物感染における人工物

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抜去や CRBSI におけるカテーテル抜去等の感染巣のソースコントロールを行う。

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薬剤感受性が保たれていれば、β-ラクタム系抗菌薬が治療の第一選択である 2,132。

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中でも、カルバペネム系抗菌薬が最も信頼できる薬剤と考えられており、重症感染

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症では第一選択とされている 132,151。セフェピム等第 4 世代セファロスポリン系、セ

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フタジジムやタゾバクタム/ピペラシリンも感性であれば使用が可能である 152。さら

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に、β-ラクタマーゼ阻害薬として知られるスルバクタムが活性を有し 153、感性であ

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る場合、治療の選択肢と考えられている 37,エラー! 参照元が見つかりません。,151,154。アレルギー等

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の要因で β-ラクタム系抗菌薬が使用できない場合、薬剤感受性があれば、フルオロ

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キノロン系抗菌薬(シプロフロキサシン又はレボフロキサシン)やテトラサイクリ

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ン系抗菌薬(ミノサイクリン又はチゲサイクリン)が治療の選択肢となる。さらに、

32

尿路感染症の場合、アミノグリコシド系も選択肢となる。

33

IDSA ガイダンスでは、スルバクタム/デュロバクタム(国内未承認薬)とカルバペ

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ネム系抗菌薬の併用が第一選択として挙げられているが、執筆時点で日本では未承

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認である 37。日本で使用可能な薬剤としては、スルバクタム/アンピシリンと、ミノ
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