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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編

1

般的には薬剤の副作用や耐性が比較的少ないエキノキャンディン系抗真菌薬を選択

2

することが多い。C. parapsilosis に対しては薬剤感受性結果に基づき、アゾール系や

3

エキノキャンディン系を選択する。C. glabrata と C. krusei に対してはエキノキャン

4

ディン系抗真菌薬を選択する 239。C. auris に対しては、エキノキャンディン系を第

5

一選択として臓器移行性の悪い神経・眼・尿路感染にはアムホテリシン B+フルシト

6

シンを選択する 221,222。

7

カンジダ菌血症を認めた場合は、早期に眼内炎を評価するための眼底検査(7 日以

8

内)と感染性心内膜炎を除外するための心エコー検査(できれば 24 時間以内)を実

9

施する 236,239。

10

治療開始から 5~7 日間経過しカンジダ菌血症消失を確認し、全身状態が安定して

11

おり薬剤感受性が良好であれば、エキノキャンディン系やポリエン系からアゾール

12

系抗真菌薬への狭域化を検討する 236,239。

13

抗真菌薬の一般的な投与期間は、感染転移巣や好中球減少のないカンジダ菌血症

14

では陰性化が確認されるまで毎日(あるいは隔日)血液培養を繰り返し、培養陰性

15

化と症状消失から 14 日間、カンジダ感染性心内膜炎で手術後最低 6 週間(手術不可

16

能な場合は長期間)、カンジダ腹腔内感染症では感染巣がコントロールされ症状消失

17

するまで、カンジダ眼内炎では最低 4~6 週間、カンジダ複雑性尿路感染では 14 日

18

間である 236,239。

19

感染症科へのコンサルテーションはカンジダ血症の 30 日予後で独立した改善因子

20

であり、可能な施設では積極的に感染症専門医へのコンサルテーションを考慮する

21

240。

22

表 12.

23

抗真菌薬の分類

エキノキャンディン系

ポリエン系

アゾール系

主な薬剤

ミカファンギン
カスポファンギン

アムホテリシン B
上記のリポソーム製剤

フルコナゾール

作用

殺菌性

殺菌性

静菌性

機序

細胞壁合成阻害

細胞膜破壊

細胞膜合成阻害

注意点

眼・尿路・中枢神経へ浸透
しにくい
点滴のみ

肝・腎障害
電解質異常
発熱

肝障害
薬剤相互作用多い
催奇形性

24
25
26

44