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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (11 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
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表 3.
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
ESBL 産生腸内細菌目細菌感染症治療例薬の用法用量例 37-40
本表は原則的に薬剤感受性が判明し、表中に記載されている薬剤への感性が確認されていることを前提としてい
る。
点滴静注
メロペネム点滴静注 1 回 1 g 8 時間毎
セフメタゾール点滴静注 1 回 1 g 8 時間毎
レボフロキサシン点滴静注 1 回 500~750 mg、24 時間毎¶41
点滴時間 500 mg の場合は 1 時間
FDA の添付文書では 750 mg の場合 90 分以上かけてと記載
内服
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非複雑性膀胱炎
スルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST 合剤)2 錠(トリメトプリム[80 mg/錠]と
して 160 mg)/回、1 日 2 回経口投与
クラブラン酸/アモキシシリン(250 mg)1 錠/回 + アモキシシリン(250 mg)1 錠/回、
1 日 3 回経口投与 42
レボフロキサシン 500~750 mg/回、1 日 1 回経口投与¶41
腎盂腎炎・
複雑性 UTI・
その他の感染症
(肺炎・腹腔内
感染症等)
レボフロキサシン 500~750 mg/回、1 日 1 回経口投与¶41
ST 合剤 2-4 錠/回(トリメトプリム[80 mg/錠]として 4~6 mg/kg/回)
、1 日 2 回経口投与
¶43
A. 用量に関しては腎機能正常例のものを提示した。腎機能に合わせた調整を要する。
B. アミノグリコシド系抗菌薬は腎機能正常であれば、非複雑性膀胱炎(単回投与)、や腎盂腎炎・複雑性 UTI に
対し選択肢になりうる(AmpC 産生腸内細菌目細菌の項参照)
。
C. レボフロキサシン、ST 合剤、クラブラン酸/アモキシシリンは耐性である可能性あり、必ず感性を確認してか
ら使用する。ST 合剤に関しては点滴静注での投与も可能(AmpC 産生腸内細菌目細菌の項参照)
。
D. クラブラン酸/アモキシシリンに関しては、MIC が 8 μg/mL 以下であった場合に ESBL 産生大腸菌による膀胱炎
への髙い有効性(93%)を示すデータがある(表 3 の用量で 5-7 日間投与)42。一方で、IDSA のガイダンス 37
では、大腸菌による膀胱炎に対する RCT エラー! 参照元が見つかりません。(アモキシシリン/クラブラン酸 500 mg/125 mg、
1 日 2 回を 3 日間)での有効性(58%)が十分でなく、シプロフロキサシンより低かったことや ESBL 産生腸
内細菌目細菌における非複雑性膀胱炎への有効性の確固たるデータがないことから、積極的に推奨しないスタ
ンスとなっている。このため使用時には慎重な経過観察を行う。
D. セフメタゾールはシミュレーションデータでは 1 g 6 時間ごとの投与で 1 g 8 時間ごとの投与より PK/PD ブレ
イクポイント(薬剤感受性検査結果から、抗菌薬の治療効果を予測するために使用する基準値)が高くなるた
め、セフメタゾールの MIC が 8 μg/mL 以上の ESBL 産生腸内細菌目細菌の感染例で非 UTI の症例等では臨床
的状況も鑑み使用を検討してもよい 38。なお、大腸菌のセフメタゾールの MIC が 16 μg/mL 以上の場合、セフ
メタゾールが無効な AmpC 産生菌の頻度が増えるという国内報告があるため、注意を要する 45。
E. セフメタゾールに代わり、フロモキセフも使用可能だがヒトでの ESBL 産生菌治療に関する用法用量に関する
データがセフメタゾール 39 より少ない。フロモキセフ使用時はシミュレーションデータに基づき点滴静注 1 回
1 g 6 時間毎が推奨される 38。
F. 治療期間は原疾患とその経過に応じて決定する。
¶ 表内は海外用量を含むため、国内添付文書での適応症や用量に関しては付録 p.8 参照
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表 3.
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
ESBL 産生腸内細菌目細菌感染症治療例薬の用法用量例 37-40
本表は原則的に薬剤感受性が判明し、表中に記載されている薬剤への感性が確認されていることを前提としてい
る。
点滴静注
メロペネム点滴静注 1 回 1 g 8 時間毎
セフメタゾール点滴静注 1 回 1 g 8 時間毎
レボフロキサシン点滴静注 1 回 500~750 mg、24 時間毎¶41
点滴時間 500 mg の場合は 1 時間
FDA の添付文書では 750 mg の場合 90 分以上かけてと記載
内服
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非複雑性膀胱炎
スルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST 合剤)2 錠(トリメトプリム[80 mg/錠]と
して 160 mg)/回、1 日 2 回経口投与
クラブラン酸/アモキシシリン(250 mg)1 錠/回 + アモキシシリン(250 mg)1 錠/回、
1 日 3 回経口投与 42
レボフロキサシン 500~750 mg/回、1 日 1 回経口投与¶41
腎盂腎炎・
複雑性 UTI・
その他の感染症
(肺炎・腹腔内
感染症等)
レボフロキサシン 500~750 mg/回、1 日 1 回経口投与¶41
ST 合剤 2-4 錠/回(トリメトプリム[80 mg/錠]として 4~6 mg/kg/回)
、1 日 2 回経口投与
¶43
A. 用量に関しては腎機能正常例のものを提示した。腎機能に合わせた調整を要する。
B. アミノグリコシド系抗菌薬は腎機能正常であれば、非複雑性膀胱炎(単回投与)、や腎盂腎炎・複雑性 UTI に
対し選択肢になりうる(AmpC 産生腸内細菌目細菌の項参照)
。
C. レボフロキサシン、ST 合剤、クラブラン酸/アモキシシリンは耐性である可能性あり、必ず感性を確認してか
ら使用する。ST 合剤に関しては点滴静注での投与も可能(AmpC 産生腸内細菌目細菌の項参照)
。
D. クラブラン酸/アモキシシリンに関しては、MIC が 8 μg/mL 以下であった場合に ESBL 産生大腸菌による膀胱炎
への髙い有効性(93%)を示すデータがある(表 3 の用量で 5-7 日間投与)42。一方で、IDSA のガイダンス 37
では、大腸菌による膀胱炎に対する RCT エラー! 参照元が見つかりません。(アモキシシリン/クラブラン酸 500 mg/125 mg、
1 日 2 回を 3 日間)での有効性(58%)が十分でなく、シプロフロキサシンより低かったことや ESBL 産生腸
内細菌目細菌における非複雑性膀胱炎への有効性の確固たるデータがないことから、積極的に推奨しないスタ
ンスとなっている。このため使用時には慎重な経過観察を行う。
D. セフメタゾールはシミュレーションデータでは 1 g 6 時間ごとの投与で 1 g 8 時間ごとの投与より PK/PD ブレ
イクポイント(薬剤感受性検査結果から、抗菌薬の治療効果を予測するために使用する基準値)が高くなるた
め、セフメタゾールの MIC が 8 μg/mL 以上の ESBL 産生腸内細菌目細菌の感染例で非 UTI の症例等では臨床
的状況も鑑み使用を検討してもよい 38。なお、大腸菌のセフメタゾールの MIC が 16 μg/mL 以上の場合、セフ
メタゾールが無効な AmpC 産生菌の頻度が増えるという国内報告があるため、注意を要する 45。
E. セフメタゾールに代わり、フロモキセフも使用可能だがヒトでの ESBL 産生菌治療に関する用法用量に関する
データがセフメタゾール 39 より少ない。フロモキセフ使用時はシミュレーションデータに基づき点滴静注 1 回
1 g 6 時間毎が推奨される 38。
F. 治療期間は原疾患とその経過に応じて決定する。
¶ 表内は海外用量を含むため、国内添付文書での適応症や用量に関しては付録 p.8 参照
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