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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (67 ページ)
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| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
1
(5) CRE
2
(i) 感染症法の定義する CRE と世界標準での CRE との違い
3
2014 年 9 月以降、5 類感染症で定義する CRE 感染症の届出基準は、イミペネム
4
MIC≥2 μg/mL かつセフメタゾール MIC≥64 μg/mL、又はメロペネム MIC≥2 μg/mL の
5
いずれかを満たした株と定義されていた。しかし、イミペネムかつセフメタゾール
6
耐性基準で届け出られる CRE 株の多くは non-CP-CRE、一方で、メロペネム耐性で
7
届け出られる CRE 株は約 2/3 が CPE であり 26、イミペネムかつセフメタゾール耐性
8
の基準による CPE 検出に対して特異度が低いことが指摘されていた。2025 年 4 月以
9
降、この基準を削除し、メロペネム MIC≥2 μg/mL か、あるいはメロペネムの MIC 基
10
準を満たさない場合であっても、イムノクロマト法によるカルバペネマーゼ産生や
11
カルバペネマーゼ遺伝子が確認された株へと変更された 27。
12
13
(ii) CRE 獲得のリスク因子
14
CRE 獲得(定着/感染いずれも含む)のリスク因子は、海外渡航歴(特に現地での
15
医療曝露や抗菌薬曝露歴)、広域抗菌薬(特に過去 3 か月以内のカルバペネム系を含
16
む広域な β-ラクタム系、フルオロキノロン系抗菌薬)の使用歴、濃厚な医療曝露歴
17
(長期入院や施設入所、尿路や血管内カテーテル等医療デバイスの使用、手術や人
18
工呼吸器管理等侵襲的処置歴)、ADL 低下、併存疾患が多いこと、等が挙がる 28,29。
19
特 に 日 本 で は CRE に 占 め る カ ル バ ペ ネ マ ー ゼ 産 生 腸 内 細 菌 目 細 菌
20
(Carbapenemase-producing Enterobacterales:CPE)の頻度は低く、かつ CPE の
21
80~90%を IMP 型が占めるため、IMP 型以外の CPE に関しては海外渡航歴が重要な
22
リスク因子となる。
23
24
(iii) CRE 感染症における併用療法のエビデンス
25
IDSA による治療ガイダンス(以下、IDSA ガイダンス)エラー! 参照元が見つかりません。及び
26
欧 州 臨 床 微 生 物 学 会 (European Society of Clinical Microbiology and Infectious
27
Diseases:ESCMID)による多剤耐性グラム陰性桿菌治療ガイドライン(以下、
28
ESCMID ガイドライン)30 はいずれも、2015 年以降に海外で承認されているアビバ
29
クタム/セフタジジム、メロペネム/バボルバクタム(日本未承認)、レレバクタム/イ
30
ミペネム/シラスタチン、セフィデロコルを含む新規 β-ラクタム系抗菌薬の感性が確
31
認され、これらの新規 β-ラクタム系抗菌薬で CRE 感染症を治療する場合、併用療法
32
を支持していない。実際、最も使用実績の豊富なアビバクタム/セフタジジムに関し
33
ては、CRE 感染症においてメタ解析で単剤治療と併用療法で予後に差がないことが
34
示されている 31,エラー! 参照元が見つかりません。。ただし、含まれる CRE 感染症の大半が KPC 型
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第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
1
(5) CRE
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(i) 感染症法の定義する CRE と世界標準での CRE との違い
3
2014 年 9 月以降、5 類感染症で定義する CRE 感染症の届出基準は、イミペネム
4
MIC≥2 μg/mL かつセフメタゾール MIC≥64 μg/mL、又はメロペネム MIC≥2 μg/mL の
5
いずれかを満たした株と定義されていた。しかし、イミペネムかつセフメタゾール
6
耐性基準で届け出られる CRE 株の多くは non-CP-CRE、一方で、メロペネム耐性で
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届け出られる CRE 株は約 2/3 が CPE であり 26、イミペネムかつセフメタゾール耐性
8
の基準による CPE 検出に対して特異度が低いことが指摘されていた。2025 年 4 月以
9
降、この基準を削除し、メロペネム MIC≥2 μg/mL か、あるいはメロペネムの MIC 基
10
準を満たさない場合であっても、イムノクロマト法によるカルバペネマーゼ産生や
11
カルバペネマーゼ遺伝子が確認された株へと変更された 27。
12
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(ii) CRE 獲得のリスク因子
14
CRE 獲得(定着/感染いずれも含む)のリスク因子は、海外渡航歴(特に現地での
15
医療曝露や抗菌薬曝露歴)、広域抗菌薬(特に過去 3 か月以内のカルバペネム系を含
16
む広域な β-ラクタム系、フルオロキノロン系抗菌薬)の使用歴、濃厚な医療曝露歴
17
(長期入院や施設入所、尿路や血管内カテーテル等医療デバイスの使用、手術や人
18
工呼吸器管理等侵襲的処置歴)、ADL 低下、併存疾患が多いこと、等が挙がる 28,29。
19
特 に 日 本 で は CRE に 占 め る カ ル バ ペ ネ マ ー ゼ 産 生 腸 内 細 菌 目 細 菌
20
(Carbapenemase-producing Enterobacterales:CPE)の頻度は低く、かつ CPE の
21
80~90%を IMP 型が占めるため、IMP 型以外の CPE に関しては海外渡航歴が重要な
22
リスク因子となる。
23
24
(iii) CRE 感染症における併用療法のエビデンス
25
IDSA による治療ガイダンス(以下、IDSA ガイダンス)エラー! 参照元が見つかりません。及び
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欧 州 臨 床 微 生 物 学 会 (European Society of Clinical Microbiology and Infectious
27
Diseases:ESCMID)による多剤耐性グラム陰性桿菌治療ガイドライン(以下、
28
ESCMID ガイドライン)30 はいずれも、2015 年以降に海外で承認されているアビバ
29
クタム/セフタジジム、メロペネム/バボルバクタム(日本未承認)、レレバクタム/イ
30
ミペネム/シラスタチン、セフィデロコルを含む新規 β-ラクタム系抗菌薬の感性が確
31
認され、これらの新規 β-ラクタム系抗菌薬で CRE 感染症を治療する場合、併用療法
32
を支持していない。実際、最も使用実績の豊富なアビバクタム/セフタジジムに関し
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ては、CRE 感染症においてメタ解析で単剤治療と併用療法で予後に差がないことが
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示されている 31,エラー! 参照元が見つかりません。。ただし、含まれる CRE 感染症の大半が KPC 型
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