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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (38 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
1
査を行わないことを推奨するが、検査を実施して NAAT 陽性・トキシン陰性となっ
2
た場合も原則治療の対象としない。一方、下痢症状等の CDI に合致する症候がある
3
場合、他の原因も検索した上で、CDI が原因と考えやすい場合には治療を考慮する。
4
また、陰性であった場合の再検査(ただし、1 週間経過しても可能性が残る時は再
5
検も考慮される)、治療終了後の検査は推奨されない。転院時等に治療後の患者に検
6
査を求めないことを推奨する。
7
8
治療方針
9
まず、使用中の抗菌薬があれば、終了可能なものは終了する。
10
抗菌薬の中止のみで改善する症例もあるが、多くは C. difficile に対する治療が行わ
11
れる。まず、諸外国のデータでは 2000 年以降に実施された RCT を含めたメタアナ
12
リシスでメトロニダゾールは治癒率・再燃率でバンコマイシンより劣ると報告され
13
た 206。また、フィダキソマイシンとバンコマイシンの比較では、治癒率の差はない
14
が 、 再 発 率 で み る と フ ィ ダ キ ソ マ イ シ ン の 方 が 低 い 213。 そ の た め 、 米 国
15
(IDSA/SHEA)及び欧州(ESCMID)のガイドラインではフィダキソマイシンが第
16
一選択として推奨されている 205,206。一方、国内のガイドラインでは 2018 年に実施
17
した 5 つの RCT に対するメタアナリシスの結果からエラー! 参照元が見つかりません。、非重症例
18
ではメトロニダゾールを推奨し、重症例ではバンコマイシンを推奨している 202。こ
19
れら薬剤間ではコストの面の違いも大きく、再発か否かや重症度を元に治療選択を
20
する必要がある 213,215。なお、国内ガイドラインでは 2 回以上の再発例を難治例と定
21
義している(標準治療期間終了後も下痢が改善しない例も難治例と定義される)202。
22
CDI の治療は通常経口で投与されるが、中毒性巨大結腸症やイレウスのある場合、
23
内服不能の患者で何らかの原因で胃管を含めた経口投与経路の確保できない場合は、
24
メトロニダゾール静注製剤やバンコマイシン散の経肛門投与を検討する 205,206。
25
表 10.
26
ガイドライン
CDI の重症度の評価例 202,205,206
重症
劇症
IDSA/米国病院疫学学会
WBC>15,000 cells/mL、又は、
血清 Cre≥1.5 mg/dL
血圧低下、ショック、
イレウス又は中毒性巨大結腸症
ヨーロッパ感染症学会
WBC>15,000 cells/mL 又は
血清 Cre がベースラインより>50%、
又は、体温>38.5°C の時
血圧低下、ショック、乳酸値の上昇、
イレウス、中毒性巨大結腸症、
消化管穿孔
日本感染症学会
明確な基準の記載なし
27
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38
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
1
査を行わないことを推奨するが、検査を実施して NAAT 陽性・トキシン陰性となっ
2
た場合も原則治療の対象としない。一方、下痢症状等の CDI に合致する症候がある
3
場合、他の原因も検索した上で、CDI が原因と考えやすい場合には治療を考慮する。
4
また、陰性であった場合の再検査(ただし、1 週間経過しても可能性が残る時は再
5
検も考慮される)、治療終了後の検査は推奨されない。転院時等に治療後の患者に検
6
査を求めないことを推奨する。
7
8
治療方針
9
まず、使用中の抗菌薬があれば、終了可能なものは終了する。
10
抗菌薬の中止のみで改善する症例もあるが、多くは C. difficile に対する治療が行わ
11
れる。まず、諸外国のデータでは 2000 年以降に実施された RCT を含めたメタアナ
12
リシスでメトロニダゾールは治癒率・再燃率でバンコマイシンより劣ると報告され
13
た 206。また、フィダキソマイシンとバンコマイシンの比較では、治癒率の差はない
14
が 、 再 発 率 で み る と フ ィ ダ キ ソ マ イ シ ン の 方 が 低 い 213。 そ の た め 、 米 国
15
(IDSA/SHEA)及び欧州(ESCMID)のガイドラインではフィダキソマイシンが第
16
一選択として推奨されている 205,206。一方、国内のガイドラインでは 2018 年に実施
17
した 5 つの RCT に対するメタアナリシスの結果からエラー! 参照元が見つかりません。、非重症例
18
ではメトロニダゾールを推奨し、重症例ではバンコマイシンを推奨している 202。こ
19
れら薬剤間ではコストの面の違いも大きく、再発か否かや重症度を元に治療選択を
20
する必要がある 213,215。なお、国内ガイドラインでは 2 回以上の再発例を難治例と定
21
義している(標準治療期間終了後も下痢が改善しない例も難治例と定義される)202。
22
CDI の治療は通常経口で投与されるが、中毒性巨大結腸症やイレウスのある場合、
23
内服不能の患者で何らかの原因で胃管を含めた経口投与経路の確保できない場合は、
24
メトロニダゾール静注製剤やバンコマイシン散の経肛門投与を検討する 205,206。
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表 10.
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ガイドライン
CDI の重症度の評価例 202,205,206
重症
劇症
IDSA/米国病院疫学学会
WBC>15,000 cells/mL、又は、
血清 Cre≥1.5 mg/dL
血圧低下、ショック、
イレウス又は中毒性巨大結腸症
ヨーロッパ感染症学会
WBC>15,000 cells/mL 又は
血清 Cre がベースラインより>50%、
又は、体温>38.5°C の時
血圧低下、ショック、乳酸値の上昇、
イレウス、中毒性巨大結腸症、
消化管穿孔
日本感染症学会
明確な基準の記載なし
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