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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (36 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
1
(6) クロストリジオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)
2
疫学の概要と臨床的特徴
3
Clostridioides difficile(以下 C. difficile)は、偏性嫌気性のグラム陽性桿菌である。
4
芽胞を形成することで熱や放射線、乾燥、高圧処理、薬剤等に抵抗性を示し、院内
5
環 境 で長 期間生存可 能で、 院内 感染対策 上重要である エ ラ ー! 参 照 元 が 見 つ か り ま せ ん 。。
6
C. difficile による感染症(C. difficile infection:CDI)は、代表的な医療関連感染症で
7
あり、米国で 2015 年に行われた横断的調査では、主要な医療関連感染症の中で CDI
8
が最も多かったと報告されているエラー! 参照元が見つかりません。。2020 年に報告されたシステ
9
マティックレビュー&メタアナリシスでは、院内発症の CDI は、8.3 件/10,000 患者日
10
数であると報告されている 188。日本で行われた多施設の前向き研究では、7.4 件
11
/10,000 患者日数であった。欧米同様の頻度であり、日本でも重要な感染症である 189。
12
腸管細菌叢の破綻が生じることで C. difficile は増殖・定着する。さらに、腸管内で
13
の毒素産生が病態に大きく関与しており、トキシン A・トキシン B がその中心であ
14
るエラー! 参照元が見つかりません。。トキシン A/B はほぼ共通した機序で病原性を発揮し、腸管上
15
皮細胞の細胞骨格やタイトジャンクションを破壊、炎症性サイトカイン及びアポト
16
ーシスを誘導、結果として腸管上皮バリアの更なる破綻をもたらすエラー! 参照元が見つかりま
17
せん。
。近年、binary toxin と呼ばれる第 3 の毒素も病態に関与していることがわかって
18
きた。毒素非産生株は CDI の原因とならず、トキシン A/B を持たず binary toxin のみ
19
で CDI を起こす症例もあるが、頻度はまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。一方、毒素
20
産生株が検出されても無症候性保菌であることも多く、特に乳児では無症候性保菌
21
の頻度が高いエラー! 参照元が見つかりません。。主に北米では特定の菌のクローンが重症感染の
22
原因となっており、特にリボタイプ 027 に分類される 027/BI/NAP1 株が高い死亡率
23
と関連していると報告されているエラー! 参照元が見つかりません。,エラー! 参照元が見つかりません。。日本で
24
はリボタイプ 027 の分離頻度はまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。CDI は主に入院患者
25
に生じる下痢症として発症する。便性状は典型的には水様便で、特徴的な臭気を呈
26
し、血便となることはまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。1 日数回の下痢のみを呈する
27
症例が多いが、20-30%の症例では随伴症状として発熱や腹痛を伴い エラー! 参照元が見つかり
28
ません。,エラー! 参照元が見つかりません。
。重症例ではイレウス、中毒性巨大結腸症、腸管穿孔や敗
29
血症等の致死的な合併症を生じうる。また、菌血症や腹腔内感染等の腸管外の感染
30
症の原因となることもあるが、頻度は 0.17%とまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。
31
32
CDI の多くは抗菌薬投与中又は投与終了後まもなく発症するが、過去 3 か月以内の
33
抗菌薬曝露がリスクになることが報告されており 199、外来での下痢症でも過去の抗
34
菌薬曝露がある時には鑑別として上げる。また、1 回の抗菌薬投与でも CDI は起こり
36
第四版
薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編
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(6) クロストリジオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)
2
疫学の概要と臨床的特徴
3
Clostridioides difficile(以下 C. difficile)は、偏性嫌気性のグラム陽性桿菌である。
4
芽胞を形成することで熱や放射線、乾燥、高圧処理、薬剤等に抵抗性を示し、院内
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環 境 で長 期間生存可 能で、 院内 感染対策 上重要である エ ラ ー! 参 照 元 が 見 つ か り ま せ ん 。。
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C. difficile による感染症(C. difficile infection:CDI)は、代表的な医療関連感染症で
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あり、米国で 2015 年に行われた横断的調査では、主要な医療関連感染症の中で CDI
8
が最も多かったと報告されているエラー! 参照元が見つかりません。。2020 年に報告されたシステ
9
マティックレビュー&メタアナリシスでは、院内発症の CDI は、8.3 件/10,000 患者日
10
数であると報告されている 188。日本で行われた多施設の前向き研究では、7.4 件
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/10,000 患者日数であった。欧米同様の頻度であり、日本でも重要な感染症である 189。
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腸管細菌叢の破綻が生じることで C. difficile は増殖・定着する。さらに、腸管内で
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の毒素産生が病態に大きく関与しており、トキシン A・トキシン B がその中心であ
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るエラー! 参照元が見つかりません。。トキシン A/B はほぼ共通した機序で病原性を発揮し、腸管上
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皮細胞の細胞骨格やタイトジャンクションを破壊、炎症性サイトカイン及びアポト
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ーシスを誘導、結果として腸管上皮バリアの更なる破綻をもたらすエラー! 参照元が見つかりま
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せん。
。近年、binary toxin と呼ばれる第 3 の毒素も病態に関与していることがわかって
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きた。毒素非産生株は CDI の原因とならず、トキシン A/B を持たず binary toxin のみ
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で CDI を起こす症例もあるが、頻度はまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。一方、毒素
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産生株が検出されても無症候性保菌であることも多く、特に乳児では無症候性保菌
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の頻度が高いエラー! 参照元が見つかりません。。主に北米では特定の菌のクローンが重症感染の
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原因となっており、特にリボタイプ 027 に分類される 027/BI/NAP1 株が高い死亡率
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と関連していると報告されているエラー! 参照元が見つかりません。,エラー! 参照元が見つかりません。。日本で
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はリボタイプ 027 の分離頻度はまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。CDI は主に入院患者
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に生じる下痢症として発症する。便性状は典型的には水様便で、特徴的な臭気を呈
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し、血便となることはまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。1 日数回の下痢のみを呈する
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症例が多いが、20-30%の症例では随伴症状として発熱や腹痛を伴い エラー! 参照元が見つかり
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ません。,エラー! 参照元が見つかりません。
。重症例ではイレウス、中毒性巨大結腸症、腸管穿孔や敗
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血症等の致死的な合併症を生じうる。また、菌血症や腹腔内感染等の腸管外の感染
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症の原因となることもあるが、頻度は 0.17%とまれであるエラー! 参照元が見つかりません。。
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CDI の多くは抗菌薬投与中又は投与終了後まもなく発症するが、過去 3 か月以内の
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抗菌薬曝露がリスクになることが報告されており 199、外来での下痢症でも過去の抗
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菌薬曝露がある時には鑑別として上げる。また、1 回の抗菌薬投与でも CDI は起こり
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