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【参考資料2-3】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編 (69 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編

1

アビバクタム/セフタジジムとアズトレオナムの併用療法は、メタ解析(含まれる

2

のは観察研究のみ)44 で、MBL 型 CPE(殆どが NDM 型)菌血症において BAT 群と

3

比して死亡リスクが低下することが示されている 45。

4

一方でその他の新規 β-ラクタム系抗菌薬に関してはまだ CRE 感染症において BAT

5

と比して予後が改善するのか分かっていない。レレバクタム/イミペネム/シラスタチ

6

ンに関しては、イミペネム耐性グラム陰性桿菌感染症を対象としてイミペネムとコ

7

リスチンの併用療法と比較した第 3 相試験 45 中には、腸内細菌目細菌症例は僅か 7

8

例(うち 2 例がレレバクタム/イミペネム/シラスタチン群)しか含まれておらず、市

9

場導入後は CRE 感染症において BAT と比較した臨床研究もない。

10

セフィデロコルに関しては、カルバペネム耐性グラム陰性桿菌感染症を対象とし

11

て BAT と比較した第 3 相試験内での CRE 症例のサブ解析で、BAT 群と死亡率に差を

12

認めなかった 33。この第 3 相試験と、院内肺炎を対象としてメロペネムと比較した第

13

3 相試験 46 の 2 つの RCT 内の MBL 型 CPE 症例 20 例のみ(うち 15 例がセフィデロ

14

コル群)を抽出して統合して、対照薬(BAT あるいはメロペネム)と比較した検討

15

では、数字上はセフィデロコル群で死亡率は低かった(13.3 vs 60.0%)34。

16

なお、MBL 型 CPE 感染症においてアビバクタム/セフタジジムとアズトレオナム

17

の併用療法とセフィデロコルによる治療を比較した検討は無いが、イタリアでの

18

MBL 産生 CPE 感染症(NDM 型が殆ど)での治療予後に関する検討では、各治療群

19

での未調整の 30 日死亡率が示されており、アビバクタム/セフタジジムとアズトレオ

20

ナム併用療法群での死亡率は 48/215 例(22.3%)、セフィデロコル群での死亡率は

21

11/33 例(33.3%)であった 35。

22
23

(v) Non-CP-CRE のカルバペネム耐性機序

24

カルバペネマーゼを産生しなくとも、AmpC や ESBL 等の広域 β-ラクタマーゼ産

25

生に加えて、β-ラクタム系抗菌薬の外膜透過性を低下させる耐性機序が相加的・相

26

乗的に作用することでカルバペネム系抗菌薬に耐性を示すようになる。

27

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